最新記事
ドキュメンタリー

「セックスは神の贈り物」ネット番組で若者と語らう、イマドキなローマ教皇

His Holiness Is Cool

2023年4月30日(日)09時55分
モリー・オルムステッド(スレート誌記者)
ローマ教皇

教皇は若者との交流に意欲的。写真は4月、少年刑務所を訪れた際の教皇 GUGLIELMO MANGIAPANEーREUTERS

<性に関するデリケートな問題を10人の若者と語り合ったローマ教皇。ロマンスが大好きな教皇に対して、ティンダーも「教皇イケてる」とコメント>

独身のカトリック信者に朗報! ローマ教皇(法王)はデートアプリの利用に寛容なようだ。4月5日、ディズニープラスでドキュメンタリー『ローマ法王のアンサー』の配信が始まった。

86歳の教皇フランシスコが世界各地から集まった20代の若者10人と対面で語り合う内容で、人工妊娠中絶や性の多様性などデリケートなテーマに切り込んでいる。

信仰も性的指向もさまざまな参加者の問いかけに教皇が返した答えには、懐の深さがにじむ。

中絶については「(聖職者は)当事者を問い詰めるのではなく、キリストのように慈悲深くあるべきだ」と発言。「地獄に落としたり孤立させたりせず、その人に寄り添うのが望ましい」と述べた。

性自認が女性でも男性でもないノンバイナリーの参加者が、カトリック教会にLGBTQ+(同性愛など全ての性的少数者)の居場所はあるかと尋ねた際は、「教会はいかなる人にも扉を閉ざすことはできない」と答えた。

「私には誰かを教会から追放する権限はない。受け入れるのが、私の仕事なのだから」

デートアプリにも寛容

聖書を引用してLGBTQ+を攻撃する者については、「自分の信念や狭い心のために教会を利用している。(そうした行いは)教会の堕落の1つだ」と非難した。

中絶と婚前交渉に関しては教義に沿った立場を堅持したが、セックス自体は「神が人間に与えた美しいもの」とたたえた。

「セックスを通じて自分を表現するのは豊かなこと。セックスには意味がある。セックスは愛の表現だ」

さらに性に関する教会の教義はまだ「おむつをしている」段階だと言い、その未熟さを指摘した。なにより驚きなのはデートアプリの捉え方だ。

SDGs
使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが「竹建築」の可能性に挑む理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ソフトバンクG、オープンAIに追加出資 最大5.9

ビジネス

大企業・製造業DIは4期ぶり悪化、非製造業は91年

ワールド

ブラジル前大統領、ルペン氏公職追放を「左派的司法活

ワールド

中国軍、台湾周辺で陸海軍・ロケット部隊の合同演習
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 9
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中