禁断、感涙、一喝...ヘタなドラマよりも断然面白い、ゴールデングローブ賞授賞式テレビ中継
A Memorable Evening
(左から)ミシェル・ヨー、ジェニファー・クーリッジ、キー・ホイ・クァン PHOTO ILLUSTRATION BY SLATE. PHOTOS BY RICH POLKーNBCーGETTY IMAGESーSLATE
<「選考委員が多様性を欠く」という批判を浴びて、昨年は中止された中継も再開。涙と衝撃にあふれる授賞式はやっぱりパワフルだった!?>
栄えあるゴールデングローブ賞授賞式のテレビ中継が復活した。昨年は「選考委員が多様性を欠く」などの痛烈な批判を浴びてNBCが中継を取りやめる異例の事態となったが、記念すべき80回目となる今年は、一段とパワフルになって戻ってきた。
問題点が全て解決されたとは思えないが、一視聴者として言わせてもらえば、全米中継された今年の授賞式が素敵に楽しかったのは事実。以下は2つのベスト4だ。
衝撃の瞬間ベスト4
■禁断の宗教ネタ
トム・クルーズが新興宗教団体「サイエントロジー」のセレブ信者なのは周知の事実。そしてこの団体では、教祖の妻が2007年から公の場に姿を見せておらず、「消されたのでは」と臆測を呼んでいる。ところが司会のジェロッド・カーマイケルは、トムの主演映画『トップガン マーヴェリック』を紹介する際に、この話題をジョークのネタにした。みんな怖くて笑えなかった。
■脱線スピーチ
復活した名女優ジェニファー・クーリッジはプレゼンターと受賞者として2回も登場したが、長々と退屈な話をするばかり。出演ドラマ『ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル』のネタバレもしてしまい、会場がシラケた。
■女優の一喝
ミュージカル・コメディー映画部門で主演女優賞を獲得したミシェル・ヨー。スピーチが制限時間を超えて終了合図の音楽が流れ始めると「黙りな、ボコボコにするわよ」とぴしゃり。
■欠席の理由
『イエローストーン』でテレビドラマ部門の主演男優賞を受賞したケビン・コスナーは授賞式を欠席した。カリフォルニア州の大洪水で身動きが取れなかったからだ。プレゼンターのレジーナ・ホールはそれを知らずに笑いでごまかそうとしたが、途中で気付き、しどろもどろに。被災者への見舞いを述べるのが精いっぱいだった。