サブカルの域を越え、紅白にも続々登場 今から聴きたい大人におすすめのボカロ曲&歌い手は?
ボカロ曲でも発揮される20歳の恐るべき表現力:Ado
20年にボカロPのsyudouが書き下ろした『うっせぇわ』を歌唱して、21年の新語・流行語大賞トップテンに選出されるなど社会現象になりました。1フレーズごとに違う人が歌っているような、多彩な表現と確かな技術が特徴です。
22年にはPerfumeの音楽プロデューサー・中田ヤスタカが手がけた『新時代』で、Apple Musicデイリーチャート「トップ100:グローバル(世界で最も再生されている曲)」1位を日本の楽曲として初めて獲得。日本の音楽シーンの「新しい顔」とも言える存在ですが、今なおボカロ曲のカバーを投稿しています。
神っぽいな(ピノキオピー作、カバー:Ado)
ピノキオピーは、前出のDECO*27とともに「ボカロPの二大巨頭」とも称されるクリエーター。本曲は、現代人の薄っぺらさへの皮肉が込められている。あたかも多人数が意見交換をしているように聞こえる、Adoの豊かな楽曲表現にも注目。
ダーリンダンス(かいりきベア作、カバー:Ado)
かいりきベアは、現代の若者の心情に寄り添った曲を多く手掛けている。本曲は、表向きは可愛らしいのに、依存気質で関わると面倒な「地雷系女子」を象徴するような毒のある歌詞と、ポップな曲調に中毒性がある。
[筆者]
茜 灯里(作家・科学ジャーナリスト)
東京大学理学部地球惑星物理学科、同農学部獣医学専攻卒業。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。博士(理学)、獣医師。朝日新聞記者、国際馬術連盟登録獣医師などを経て、現在、立命館大学教員。サイエンス・ライティング講座などを受け持つ。文部科学省COI構造化チーム若手・共創支援グループリーダー。第24回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞。デビュー作『馬疫』(光文社)を2021年2月に上梓。
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
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