サブカルの域を越え、紅白にも続々登場 今から聴きたい大人におすすめのボカロ曲&歌い手は?
とは言え、せっかくの音楽シーンの最先端を食わず嫌いするのはもったいない限りです。そこで、続いて、実力派として定評のあるボカロPと歌い手を、何人か紹介します。
ボカロ曲は、同じ曲を様々な歌い手がカバーしているところも魅力です。最初の取っ掛かりさえあれば、気になるボカロPや歌い手をネットサーフィンで見つけることも難しくないはずです。
年始にピッタリ、クールジャパンの象徴:和楽器バンド
ギター、ベース、ドラムの洋楽器に、尺八・箏・津軽三味線・和太鼓の日本の伝統楽器を加え、詩吟の師範である鈴華ゆう子がボーカルを担当する8人編成のバンド。アマチュア時代からボカロ曲の演奏で注目され、デビュー後もボカロ曲だけ集めたアルバムをリリースしています。
代名詞である『千本桜』のMVは、22年12月現在、YouTubeで1億5000万回再生されています。ボカロ曲と伝統楽器の融合は、和のビジュアルとも相まって、正にクールジャパンの象徴と言えます。
千本桜(黒うさP作、カバー:和楽器バンド)
11年に発表されたボカロ曲の金字塔。大正ロマンの雰囲気に現代風刺も取り込まれた歌詞が付けられている。ピアノバージョンはトヨタのCMにも使われた。和楽器バンドとの相性は抜群で、デビュー前に世界各地から数百万回も視聴された。
フォニイ(ツミキ作、カバー:和楽器バンド)
タイトルは英語で「偽物」の意味。「本物の自分」と「取り繕っている私」の間の葛藤を歌う。オリジナル曲には、21年に登場し、より人間味のある人工歌唱ソフトとして知られる「可不」が使用されている。
力強い高音でボカロ曲にロック魂を注ぐ:あらき
野太くて伸びのあるハイトーンボイスが特徴で、音程の正確さと滑舌の良さも併せ持つため、どの曲も聴きやすいです。しかも歌唱動画の投稿ペースが早く、22年末で150曲にも及ぶため、彼の歌を一通り聞けば「ボカロ曲とは何か」をつかむことができます。
ロックヴォーカリストとしても活躍しているため、ボカロ曲に独自のアレンジやフェイクを加えて、格好良く歌うのが得意。ネットに投稿された動画での歌唱と、ライブでの生の歌の上手さが変わらないことでも知られています。
ヒバナ(DECO*27【デコ・ニーナ】作、カバー:あらき)
DECO*27は、ボカロ文化初期から活動し、現在も高い支持を得ているボカロPの第一人者。ボーカロイドが進化、多様化する中で、初音ミクにこだわった楽曲制作でも知られている。『ヒバナ』は最高傑作の一つとされ、「人間ではあらきの歌唱が至高」と評される。
About me(蝶々P作、カバー:あらき)
ボカロ曲には英語の楽曲もあり、外国人がボカロ文化を知るきっかけにもなっている。こちらはライブバージョンだが、より高音を活かした動画バージョンもYouTubeで1300万回再生を超える人気となっている。