K-カルチャー、2022年は「逆走」がトレンド K-POPからドラマ、ウェブ小説まで
今年のK-POP界で最大の「逆走」を見せたユンナ YTN News / YouTube
<紅白歌合戦にTWICEなどK-POPアーティストが戻ってきた2022年。韓国のエンタメ業界を振り返ると──>
韓国で対日関係を重視する尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が誕生した2022年。新型コロナウイルスのパンデミックで制限されてきた両国間の往来も、夏からはビザなしで行き来できるようになり、エンターテイメント界でもK-POPアーティンストが日本での活動を再開。NHKの紅白歌合戦にはTWICEが3年ぶりに帰ってくるほか、日本人メンバーがいるIVE、LE SSERAFIM(ル・セラフィム)の新人女性グループも出場する。
こうしたなかで、K-POPの本場、韓国では今、どんな歌がヒットしているのだろう?
今、大ヒットしているのはアイドルではなく......
韓国の音楽業界の主流は日本同様配信サービスに切り替わっている。配信サービスの最大手MelOnのチャートは、韓国のK-POPのトレンドを確認できるため、世界中のK-POPファンたちが注目している。さて、このMelOnで今、一番人気なのは、IVEやLE SSERAFIMか、あるいは紅白には出ないものの日本でも今話題になっているNew Jeansか。あるいはメンバーのひとりJINが入隊を果たしたBTSか?
12月31日夕方時点での最新チャートを確認すると、デイリーランキング、週間ランキングともに1位はNew Jeans『Ditto』。日本でもオリコンの週間ストリーミングランキングで6位に入っている最新曲だ。さすが、BTSのHYBEが満を持してデビューさせたグループだけに、リリースする曲が軒並みヒットとなっている。
さて、このMelOnの最新チャートで最新月間ランキングを見るとNews Jeansは『Hype boy』で4位。3位はLE SSERAFIMの『ANTIFRAGILE』、2位は(G)I-DLE『Nxde』と人気のガールズグループが並ぶ。ところが、1位は女性アイドルでも男性アイドルでもなく、女性歌手ユンナの『Event Horizon(사건의 지평선)』になっている。
ユンナは日本でもアニメ『BLEACH』のエンディングテーマになった『ほうき星』などをリリースして活動していた女性歌手。現在韓国で大ヒットしている『Event Horizon』は3月に発売されたアルバムに収録された曲で、リリースされた当初はまったく話題にならなかったものの、大学祭などのライブイベント、YouTubeなどのオンラインメディアでの露出によってジワジワと注目を集め始め、発売から半年経った秋口からオンランチャートを「逆走」して15年ぶりに1位を獲得する大ヒットにつながった。
2022年の韓国エンタメ業界はこのユンナのような「逆走」がトレンドになったという。韓国メディアBLOTERが報じた。
配信チャート、ヒットの秘訣は「逆走」
もちろん、ユンナの『Event Horizon』以前にも「逆走」するヒット曲はあった。ただ、最近の「逆走」でこれまでと違う要素としては、逆走の舞台がビルボードのチャート「ビルボード200」などに拡大したことだろう。
9月に発売された男性アイドルグループNCT127のアルバム『2 Baddies』は12月6日のランキングで前週より71位上昇した112位に上がり、BTSが今年6月に出したアルバム『Proof』も12月21日のランキングで95位と、27週連続チャートインを達成した。『Proof』は発売以降ずっとランキングを続けている「ワールドアルバム」部門で3位上昇し、1位に返り咲いている。