BTSのJIN、年内にも入隊か それでも兵役めぐる混乱は続く?
入隊延期を取り消し、年内にも兵役に就くというBTSのJIN KIM HONG-JI / REUTERS
<これで騒動が一件落着、とはいかないようだ>
ここ数年、韓国だけでなく世界的に注目を集めてきたBTS(防弾少年団)メンバーの兵役問題が決着をみた。
BTSの所属事務所ビッグ・ヒット・ミュージックは17日「JINが今月末、入隊の延期の取り消しを申請し、その後、兵務庁の入隊手続きに従う」「他のメンバーも、各自の計画によって順次入隊する予定だ」と発表した。聯合ニュースなど韓国メディアが報じた。
7人組のK-POPアイドルグループBTSで最年長のJIN(キム・ソクジン)は1992年生まれ。2020年に改正された兵役法によって文化体育観光部長官の入隊延期の推薦を受けており、今年末まで入隊が延期された状態だった。入隊延期者は延期期間が終わる前に入隊するためには、兵務庁に入隊延期の取り消し届けを提出しなければならない。
JINが入隊の延期の取り消しを提出すれば、通常3ヵ月以内に入隊通知書を受けるようになり、早ければ年内にも入隊する可能性がある。
韓国男性アイドルの鬼門「入隊問題」
韓国は朝鮮戦争休戦協定からすでに約70年が経つものの、今も戦争が終結しておらず、徴兵制がとられている。このため多くの男性は大学在学中に休学して入隊する事が多い。BTSのような芸能人の場合は、芸能活動の区切りのタイミングを見計らって入隊するが、1年以上活動を中断することになり、大きな負担となっている。
もちろん、例外として兵役を免除されることがあり、スポーツ選手ならオリンピックでのメダル獲得かアジア大会での優勝、文化芸術関係者なら国際的なコンクールでの2位以上、国内のコンクールでの優勝などが対象となる。ただ、ここでいう文化芸術分野とはクラシック音楽やバレエなどのことを指し、BTSなどのK-POPアイドルの大衆音楽は含まれていないのが現状だ。このため、ビルボードでトップを獲得するなどの世界的な人気を獲得したBTSメンバーに対して兵役免除させるべきかどうかは、韓国では政治問題ともなって議論されてきた。
事実、先月中旬には国会国防委員会がこの問題について世論調査を実施している。そこでは「BTSのような大衆文化芸術家への兵役特例を導入すべきか?」という質問に「賛成」が60.9%で「反対」が34.3%と、圧倒的に賛成が多かった。