アメリカを沸かせたジャニーズJr.! Travis Japan「実力勝負の場で自信も付いた」
パフォーマンスも佳境に差し掛かり、川島がアクロバティックに宙を舞うと観客たちは一斉に歓声を上げた。メンバーそれぞれのカラーをあしらった扇子がステージを乱舞し、華麗なパフォーマンスは幕を閉じた。
最前列にひしめく日本人ファンだけでなく、トラジャを知らないであろう人たちの心をも、彼らがとらえたことは一目瞭然だった。
後日、東京からのリモート取材に答えて宮近は「日本というより、ジャニーズというより、Travis Japanが生み出すエンターテインメントを表現していきたい。僕らのカラーを世界に広げていくにはどうしたらいいかを考えながら、日々トレーニングやパフォーマンスをしている」と語ったが、その情熱が人種や文化の垣根を越えて人々を魅了した。
会場がモールのため、ダンサーや出演者の控え室は駐車場の一部に設けられていた。トラジャの出番あたりにはスタンバイする彼らを見ようと付近に人が集まっていたが、その中に一見違った人がいた。
声を掛けると、「(トラジャが)ダイスキデス」と片言の日本語で返事があった。Iさんは、コロラド州から来た大会出場者の1人。18歳の彼女は中学生ぐらいからゲームやアニメ、マンガを通じて日本が好きになり、YouTubeで世界中のダンス動画を見るうちにトラジャを知ったという。
「彼らのダンスはいつも魅力的。全員のタイミングのそろえ方、リズムの取り方が最高だ。私のチームはもっと人数が多く、あんなにそろえることはできない」
彼らは6人だからできるのでは?
「6人だろうと、15人だろうとそれぞれがちゃんとリズムを取り、その上でタイミングを合わせることがいかに難しいか、ダンス経験者なら分かると思う。しかも普段の彼らは歌いながらあのレベルのダンスをこなす。信じられない!」と彼女は言い、移動していく彼らを名残惜しそうに見つめた。
「私のチームメイトを含め、ダンスをやっている人はみんなトラジャを知っています! 彼らのダンスはいい、彼らはすごいってみんな言ってる」
この日、トラジャはUSA部門を4位通過。翌日の国際大会では9位という成績を収め、観客賞も受賞した。
ジャニーズのTravis Japanだと特別視されない場所での「世界への初挑戦」だったが、逆に本当に価値があるものは特別視されることを、強豪ダンサーたちと競いながらさりげなく、華やかに証明してみせた。