「生きさせろ!」 コロナショックで苦境に陥る映画館、生き残りかけ模索
アメリカでは15万人もの映画館スタッフが失業
映画の都ハリウッドを誇るアメリカでは、映画館はすでに閉鎖中だ。失業保険の申請者が過去最多にのぼるといわれ、今後コロナが収束した後の経済立て直しが心配されているなか、報道によると現在映画館従業員約150, 000名以上が職を失ったといわれている。
そんな状態のなかで、全国シアターオーナー協会の団体NATO(National Association of Theatre Owners)が支援に向けて動き出した。米上院に積極的支援を約束させ、3月30日にはthe Pioneers Assistance Fundとともに、援助を必要とする映画館従業員に提供するため、まずは240万ドルの基金を用意したと発表した。
規模の小さな個人経営の劇場では、自ら工夫し生き残りにかける努力をしているようだ。バージニア州のあるユニバーシティーモールシアターでは、ただ存続の寄付を募るだけでなく、苦肉の策として映画館にあるものを利用しようと、ポップコーンや飲み物などを映画館の外で販売。少しでも利益を出そうと必死な努力を続けている。
一方では、車の中で安全に見られるとして、ドライブインシアターが見直され始めている。映画館を経営するEVOエンターテイメントは、先月27日からテキサス州やユタ州を中心に映画の無料上映で集客し、ポップコーンなどフードやドリンクメニューで利益を上げる試みを始めている。
新作の制作も中断、撮影スタッフも失業中
既に劇場を閉めてしまったアメリカでは、韓国のように上映作品が足りなくなってしまう心配はないが、映画制作の中断が問題になっている。そんななか、ネットフリックスが1億ドルの救済基金設立し、映画製作業界に救いの手を差し伸べた。
アメリカの映画制作現場ではスタッフの収入は月給制ではなく時給制がほとんどだ。そのため、撮影が無ければ収入はまったく入ってこない。ネットフリックスでは、自社の映画やTVシリーズの制作に携わったスタッフに、撮影中断期間2週間分の給料の支払いを約束。さらに自社以外の作品支援として約1500万ドルの基金を作り、失業中のキャストやスタッフの緊急救済に当てると発表した。