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懲りない韓国メディア 「n番部屋」事件後も性商品化などの表現で炎上続々

2020年4月27日(月)21時20分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

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KBSの週末ドラマ『一度行ってきました』で問題になった場面より。キンパッ屋を営む女性社長を演じるのは『パラサイト 半地下の家族』にも出演していたイ・ジョンウン。 KBS World / YouTube

視聴率20%超えは当たり前の国民的ドラマで何が?

問題になったシーンは、市場で韓国式海苔巻き(キンパッ)屋を営むこととなった元キャバクラ嬢の女性社長と店員が、セクシーな恰好やサービスをしてお店を繁盛させるという場面だ。お店に行列を作る男性客たちの中には、学生服の衣装を着た未成年者も含まれており、これを指摘するクレームも多かった。

ドラマの公式HP視聴者コメント欄は20ページにも及び、その中には、「このようなドラマがn番部屋を作り出したのだろう」「制作陣はn番部屋事件を見て感じるものはなかったのですか?」などn番部屋というキーワードが相当数含まれていた。

KBSには公式HP上に、大統領府の国民請願のような「視聴者請願」が存在する。こちらは、請願掲載30日以内に1000人の賛同が集まると放送局側は調査し、何らかの答えを出さなければいけないシステムになっている。ここで今最も多くの賛同を獲得しているのが「『一度行ってきました』女性の性商品化問題提起」という請願だ。

この事態を重く見たKBSは、謝罪文を公式発表し、「今後は、さらに慎重を期すよう努力する」そして、「再放送とストリーミングサービスなどを含む、今後放送されるすべての映像では、修正された編集版に差し替える」と明らかにした。

お笑い番組でも時代錯誤な演出が

同様の問題は続くものだ。翌日19日には、2011年から続くtvNの人気お笑い番組『コメディービックリーグ』にも抗議が殺到した。過去に人気のあったドラマをパロディーするコントのコーナーで、この日は1999年のMBCドラマ『ワルツ』を扱った。

男性芸人が主人公を演じ、女性2人に「今日は稼ぎが無かったのか。では、外に出てみなさい」と言い、男性をはさんでチアリーダーのようにダンスを踊らせる。すると、客席から"おひねり"のお札がステージに投げられた──。この表現が「まるでストリップなど、性商品化のようなイメージで演出されている」といった抗議が放送終了後から後を絶たず、2日後には制作陣が謝罪文と今後の再放送分の差し替えを発表した。

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