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歓迎、伯爵家ご一行様! 『ダウントン・アビー』が映画で帰ってきた

A Return to Downton Abby

2020年1月10日(金)18時45分
ジューン・トーマス(ジャーナリスト)

テレビシリーズで生き残った登場人物がほぼ全員再登場するとあって、手厚く描写されるのは一握りだ。

その1人が、息苦しいダウントンという世界の外で喜びを味わう同性愛者の執事トーマス。ファンに一番人気のバイオレットは、お約束の辛辣な文句をいくつか放ってくれる。今回、彼女の計略の標的は王妃の侍女。騒動のタネは(もちろん)財産相続だ。

ドラマ版は当初、テレビ史上指折りの感動的でロマンチックな物語を紡いでいた。だがメアリーの夫マシューと、一家の運転手ブランソンと結婚した三女シビルの死でラブストーリーが尻すぼみになったとき、作品自体も勢いをなくした。

映画では2つのロマンスが描かれるが、どちらも深みに欠ける。だが、それでもいい。本作の最大の喜びはあの面々と再会できること。それが2時間ばかりの間であっても。

DOWNTON ABBEY
『ダウントン・アビー』
監督/マイケル・エングラー
主演/ヒュー・ボネビル、マギー・スミス
日本公開は1月10日

©2020 The Slate Group

<本誌2020年1月14日号掲載>

【参考記事】『マトリックス』『ファイト・クラブ』『ボーイズ・ドント・クライ』......1999年こそ映画の当たり年!
【参考記事】英ハリー王子夫妻は、どうやって王室から「財政的に独立」するのか?

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2020年1月14日号(1月7日発売)は「台湾のこれから」特集。1月11日の総統選で蔡英文が再選すれば、中国はさらなる強硬姿勢に? 「香港化」する台湾、習近平の次なるシナリオ、日本が備えるべき難民クライシスなど、深層をレポートする。

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