過熱する韓国キッズ・ユーチューバー ベンツ運転からタコのつかみ食いまで
ユーチューバーという職業は、まだそれがお金になることが認知されてから月日が浅く、倫理面などの整備がきちんとできていなのが実情だ。親は他のチャンネルに負けないように再生回数を稼ぐため、ビジュアル的に過激に走り、子供は再生回数が増えて喜ぶ親の姿を見て進んでカメラの前に立つ。その循環が次第にエスカレートすると、常識の一線を越えてしまう。
先日、韓国の6歳の双子の女の子が10キロを超える大きなタコを切り分けもせず、そのまま丸かじりする動画がYouTubeにアップされ、たちまち炎上した。フォロワー66万人を超えるこのチャンネルの父親は、動画を削除し謝罪文を公表したものの、ネット上では非難が集中している。確かに、小さな双子の女の子の前に大きなタコが置かれ、それを手づかみで食べる映像はあまりにも衝撃的だ。
YouTubeでは過激なほど再生回数やチャンネルの登録者が増え、広告収入が入ってお金になる。親は子供に演技やチャレンジをさせて、よりインパクトのある映像を公開し収入を得る。ボラムチャンネルのように、家族で株式会社を設立した例もあるが、これは稀だろう。制作しているのは大人だとはいえ、登場するのが子供の場合、稼いだお金の管理は一体どうなっているのだろうか。実はYouTubeが誕生したアメリカではすでに子供の稼いだお金については法律化されている。
去年、世界で最も稼いだユーチューバーのライアン君はたった8歳だ。動画の累計再生回数は260億回を超え、約2200万ドルの収入があったと言われている。幼い彼がこれだけの大金を手にしたのだから、気になるのはそのお金の管理だろう。実はアメリカには「クーガン法」という法律がある。これは、チャップリンの映画『キッド』に出演した子役のジャッキー・クーガンにちなんだものだ。
クーガンは、自分の出演料を両親が浪費してしまい、本人は無一文になってしまった事から訴訟を起こし、それがきっかけで1939年に法律が制定された。この法律では、未成年者が稼いだ出演料から養育費などを確保し、さらに出演料の15%を本人が成人するまで積み立てなければならない、と定めている。ライアン君が稼いだ大金も、330万ドルは親は手を付けることができず、彼が成人するまできちんと親とは別の口座で貯蓄されるのだ。