最新記事

映画

元秘書が解くビートルズ50年の「封印」

2013年12月6日(金)16時37分
長岡義博(本誌記者)

──以前、ポールはローリングストーン誌のインタビューで「今でも頭の中でジョンに作曲の相談をするんだ」と答えていました。ただの友情、というだけでは語れそうにない2人の関係は、近くで見ていたあなたの眼にどう映りましたか?

 曲を作っている時以外しか見てないですが、2人の関係は決して危機的な状況に陥ることはありませんでした。何があっても必ず最後は笑って終わる、というような。

──非常に対照的な2人ですね。ポールは明るくて外交的、ジョンは内省的でストレート。

 その通り。ポールはメディアとの付き合いもうまかったのに対して、ジョンは実直過ぎて、発言を叩かれてしまうことがよくありました。ただ2人はそんなに違うことを言っていたわけではないですよ。

 結局は個性の問題なのだと思いますが、ポールが激怒している様子、というのを見たことがありません。ただジョンはよく怒っていましたよ。ジョージもね。

──映画の中で、「リンゴに枕カバーを使ってもらって送り返してほしい」というファンの要望に応えるエピソードが紹介されていますね。

 あれはたまたま(撮影のときに)思い出しただけで、ほかにもファンのためにいろんなことをやりましたよ! 世界中のたくさんのファンがたくさんのプレゼントを送ってきました。当時、日本のファンはメンバーに日本人形を送ってくれました。

──それにしても、当時のファンクラブはそんなことまで対応していたのか、と驚きました。

 やらない、ということは考えられませんでした。だって、できる立場にいたから。私自身もビートルズファンでしたし、そうしてもらうことがファンにとって一番うれしい、ということが分かっていましたから。

──初めてビートルズを見た時、他のバンドとどう違っていたのでしょう?

 ステージでのたたずまいやレザーづくめのそのファッション、彼らの語るユーモア......他のバンドとはすべてが違っていました。リバプールには当時、(リンゴがもともと所属していた)ロリー・ストーム&ザ・ハリケーンズやザ・ビッグ・スリ―といったバンドがありましたが、彼らが持っていないものをビートルズは明らかに持っていましたね。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 8
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 9
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 10
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中