最新記事

アカデミー賞

今だから語れる役者人生の裏側

2009年4月7日(火)16時24分

──ところでテーブルのこちら側にいる人(ハサウェイ、ピット、ダウニー)に聞きたい。あなたたちは大変な人気者だが、作品を選ぶときは広報担当者の意見や興行成績をどれくらい気にする? 出演作が大コケしたら、次は儲かる映画に出るべきだという意見を聞く? それとも本当にやりたいものを選ぶ?

ピット 僕の場合、何かを証明するために仕事をする必要はもうない。自分が興味をもてるかどうかだけが大切だ。(07年の)『ジェシー・ジェームズの暗殺』は失敗作と言われたけれど、僕にとってはあの映画は最高なんだ。

ダウニー でも、失敗作ってことになってる。

ホーキンス 信じられない。あれはすごい作品だった。

ピット ありがとう。同じ意見の人が1人はいるってことだね。

ハサウェイ 私はいつも、映画界で成功しなかったら舞台に出ればいいって考えていた。『ブロークバック・マウンテン』と『プラダを着た悪魔』に出た後、もう十分有名になったと思った。これが私の限界だ、って。それから『レイチェル』が公開されて、あの事件(元恋人が詐欺容疑で逮捕された)が起きて、自分でも驚くような有名人になってしまった。でも、こんなのは一時的なこと。やりたい作品に出られるように、自分では限界をつくらないようにしようと思い直した。

ダウニー こんなこと言うと引かれるから、黙っておけと女房に言われるんだけど......。最近の俺にとっては商業的な超大作映画こそ、最もクリエーティブでやりがいがある作品だ。インディーズ映画なんて話にならない。(ニューヨークの野外演劇祭)シェークスピア・イン・ザ・パークにでも出て「俺はまともな俳優です」ってアピールしたほうがいいのかな。

ホーキンス 私、出たわよ!

ハサウェイ 俳優業は賭けだと思う。私の母親は才能のある女優で歌手なの。一番の大役はあるミュージカルでもらった役。ブロードウェイでも上演される予定だったけど、結局そうはならなかった。母は3人の子供を育て、人生を楽しんでいる。名声なんてばかげたものよ。経験できてよかったとは思うけど。

──お母さんの動画がYouTubeに投稿されている。

ハサウェイ まさか。

──素晴らしい歌を披露してる。

ハサウェイ 嘘! 知らなかった。皆さん、私のママにご注目! すごく才能があるんだから。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ資源譲渡、合意近い 援助分回収する=トラ

ビジネス

米バークシャー、24年は3年連続最高益 日本の商社

ビジネス

ECB預金金利、夏までに2%へ引き下げも=仏中銀総

ビジネス

米石油・ガス掘削リグ稼働数、6月以来の高水準=ベー
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 5
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 8
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 9
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中