習慣化が苦手な人は今すぐ〈宣言〉すれば目標達成率が上がる【富者の思考】
「100日間、毎日運動する」と皆で〈宣言〉した結果
インスタグラムで「根気プロジェクト:運動編」を企画した時、多くの人が100日間運動に参加してくれた。ほとんどの人は100日間、このプロジェクトに参加すると公言し、証拠写真をアップしようと約束もしてくれた。どんな用事があっても100日間、運動し続けなければならなかった。自分で立てた目標にガードレールを設置し、是が非でもやり遂げるように自分を追い込んだのだ。
その結果、200人のうち90人を超える人々が完走した。なんと50%近くの人が100日間運動を成功させたのだ。私自身も、このプロジェクトに参加しながら、一度たりとも途中でやめるかもしれないという思いを抱かなかった。大勢の人に〈宣言〉し、絶対にやるしかない道に踏み込んだからだ。共に実行する人がいたため、一人で実行するよりむしろずっと簡単にやり通せた。
人はやめてもおかしくない状況が生じると、言い訳ばかりになる。言い訳が増えるのは、目標が遠ざかっている証だ。だから目標を叶えたいなら、必ずや〈宣言〉せよ。自分が決意し、目標へ向かう道に入ったという事実を方々へ知らせよ。
2タイプのリーダーに見る〈宣言〉の力
【タイプ1】リスクを避け宣言しないリーダー:職場で一生懸命に働き、万事に最善を尽くし、愛社精神が強いリーダー。
だが、こういう人物は目標を掲げ「いつまでにこれを叶える」と〈宣言〉はしない。働く時に頑張るのみだ。
【タイプ2】リスクを取り宣言するリーダー:いつまでに、自分が何をやるかという目標を明確に立て、〈宣言〉するリーダー。
私から見ても胸が高鳴るような大きい目標だ。タイプ2のリーダーは、自分が〈宣言〉した目標を達成できず、失望されることもある。だから、タイプ1のリーダーのほうが仕事ができ、会社により必要な存在のように見えるかもしれない。タイプ1のリーダーはリスクを避け、何も〈宣言〉しないため、約束を破ることもない。仕事を頑張り愛社精神もあり、できるリーダーだと思われるかもしれない。
しかし、結果的に見れば、タイプ2のリーダーのほうがいい成果を生み、会社で慕う人も多かった。なぜだろうか? 私の分析によると、タイプ2のリーダーは、〈宣言〉した目標値の70%以上を常に達成していた。10個あるプロジェクトを2年間担当し、7個を成功させ、3個が失敗だったと仮定しよう。実はすごい成果だ。10個のプロジェクトのうち成功した7個は、組織と個人の成果に大きな影響を及ぼした。
それならば、失敗したプロジェクトは無意味だったのか? そうではない。タイプ2のリーダーが失敗した3個のプロジェクトは、この先この人物がもっと成長できる土台となった。だが、タイプ1のリーダーは、何の〈宣言〉もせず、失敗しなかった反面、成長もしなかった。
成長は人間にとっての喜びであると知る
人間は成長する時に幸福感を抱く。成長がない人生は退屈で面白みが感じられない。インスタグラムで「根気プロジェクト:運動編」を開催した際、運動好きな人もいたが、嫌いな人もいた。200名はみんな三日坊主を卒業したいと思い〈宣言〉した。
この中で目標を達成した人は、自分でも驚き大いに喜んだ。平凡な人生に生気が吹き込まれ、喜びを満喫できたのだ。体に変化を感じたことは無論、他のこともできそうだという自信まで湧き出たと教えてくれた。これはすべて成長の証だ。
時々、〈宣言〉して失敗したら自分の位置が危うくなるのでは、と恐れる人を見かける。確かに200人中、半数以上はプロジェクトを完走できなかった。しかし、初めからチャレンジしない人と比べたら、ずっと多く運動したし、学び、成長した。
三日坊主でも三日ごとに再出発する人は、必ず成功する。だから〈宣言〉を恐れないことだ。〈宣言〉には目標に向かうためのガードレールを設置する意味以外にも、実は多くのメリットがある。
自分が心から大切に思い、愛する人々に、「変わろうと思う」と語るだけでも、無限の信頼を寄せてもらえる。組織ではどうだろうか? 「我々のチームは現状維持しながら、誰かに迷惑をかけない程度に働こう」などと言うリーダーを心から慕うことができるか? 適当に働くパフォーマンスを見せながら、何でも楽に進めようとするリーダーについていけるか、という話だ。
〈宣言〉とは、あきらめの瞬間に自分が孤独ではないと気づかせてくれるパワーだ。私が〈決断〉し〈宣言〉した目標が、孤独な道ではないという教えなのだ。その意味であなたに問いたい。
あなたはどんな〈決断〉で胸を熱くしているか?
誰に〈宣言〉し、信頼を得たいか?
ケリー・チェ(Kelly Choi)
ヨーロッパ12ヵ国で寿司販売を中心としたアジア系食品フランチャイズチェーンを1200店舗展開する、グローバル企業「ケリーデリ(KellyDeli)」の創業者/会長(2021年当時)。全羅北道で生まれ、ソウルの縫製工場で働きながら夜間定時制高等学校を卒業。30代でパリでファッション事業を立ち上げるが、10億ウォン(約1 億円)の借金を抱える。これを機に、〈富者の思考〉と習慣を体得するため、1000人の成功者に学ぶ。2010年にケリー・デリを立ち上げ、2020年、「サンデー・タイムズ」が選ぶイギリスの資産家345位。
現在は、経営と〈富者の思考〉を伝えるために「ウェルシンキング・アカデミー」を設立。YouTubeやInstagram、講演活動を通じて啓発活動を続けている。著書に『パリでお弁当を売る女』(2021年、未邦訳)、『100日朝習慣の奇跡』(2023年、未邦訳)がある。。2022年には本書が大手ブックサイトYes24の「今年の本」に選出され、100刷突破記念刊行で表紙の装いを新たにした。
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