最新記事
BOOKS

「お金より○○」と言ってしまう人は「お金への引け目」を捨てることで人生が好転する【富者の思考】

2025年1月29日(水)11時30分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

お金持ちになりたいのに「お金持ちは悪者」と思い込んでいないか?

あなたにも富者に対するルサンチマンがあるだろうか。お金が多い人はなんだか貪欲で、性的に乱れているようで、法の枠外で社会を嘲笑していると思っていないか。特別な理由もなく富者に対する理不尽な不快さを抱いていないか。それを問うているのだ。ルサンチマンがないなら幸いだが、もしあったとしても構わない。感情は一種の刷り込みだから、努力で十分に改善できる。

では、富者に対する否定的な見方はどのように形成されるのか? 意外と単純だ。驚くことに、我々はドラマ、映画、音楽、ニュースなどを通して非常に多くのことを学習している。多様なメディアで接する金持ちのネガティブなイメージが刷り込まれた瞬間、あたかもお金を悪の根源かのように思い込む。

周囲に大企業を成した富者がおらず、実際の見本がいないから、鵜呑みにしてしまう。しかし、本当に不可思議な点は、そのように刷り込まれた状態であっても、多くの人が富を築きたいと思っているという事実だ。

富を望むなら、富者とお金についての歪んだ考えを払拭しないといけない。実際、あなたも富を手に入れたいと思っているのでは? 内心、富を成せるのであれば、他に願い事はないとすら思っていないか?

あなたにとってお金とは何か?

これを機に経済的自由を享受するんだと決心したいなら、ペンと紙を準備して、次の2つの質問に正直に答えよ。

問1: あなたにとって富者とは何か?
問2: あなたにとってお金とは何か?

あなたが書いた内容を、もう一度よく見よ。金持ちとお金に対してどのような感情を抱いているか。幼い頃、お金にまつわるどんな話を聞いて育ったのか。誰がそのイメージを植え付けたのか。あなたから見てケリー・チェは金の亡者に見えるか。

私自身も、金持ちとお金についてネガティブに考えたことがあった。だが、〈ウェルシンキング(富者の思考)〉を通して、その偏見から解放された。

問1:あなたにとって富者とは何か?(ケリーの回答)
優しい人、人助けができる人、愛することを知り、かつ愛される人、尊敬される人、寛容な人、懸命に生きてきた人、友人になりたい人、周囲に目配りができる人、知恵のある人、人を救える人、自分に決定権がある人、社会的利益のために率先する人、動物を愛する人、環境を保護する人......。

問2:あなたにとってお金とは何か?(ケリーの回答)
多くあるべきもの、人助けの手段、あれば便利なもの、大抵の解決策、必ず持つべきもの、努力の結果、分け与えられるもの、やりがいの象徴、病気を治してくれるもの、余裕、母にあげたいもの......。

金持ちとお金についての私の見解だ。ネガティブな考えは、これっぽっちもない。私の潜在意識の中に溢れていた金持ちやお金へのポジティブな考えが、今いる場所にまで私を導いた。万が一、お金持ちとお金を、罵倒し、呪い、蔑視する人間だったら、今のケリー・チェは存在しなかっただろう。

お金に対する正しい感情がいい結果をもたらす

私は〈ウェルシンキング〉で、お金の持つポジティブな価値の数々を潜在意識の中に投影した。「お金を稼ぐことは、容易くおもしろい」「お金は優しく、幸福をもたらす」「お金は無限だ」と、繰り返した。お金は限られているから分け与えるべきであり、自分が持っていれば、他人の分まで奪ってしまうと考える人がいる。これは、誤りだ。お金持ちは、お金を無限だと捉える。実際その通りだ。

「金持ちだ」「資産が多い」というのは、単なる結果にすぎない。結果には必ず原因がある。原因の本質は考え方だ。私は富者になるために考えを改め、〈ウェルシンキング〉を始めたのだ。

思考が感情を呼び、感情が行動を呼び、行動が結果を呼び起こすという事実を忘れてはならない。金持ちは、詐欺師、強欲の塊、パワハラをする人、悪人、ではない。そのように行動する人たちもいるというだけだ。健康や愛、幸福のように富も重要で、必ずや手に入れるべきものだ。潜在意識のうちに隠れている、金持ちやお金に対する悪い認識をすべて打ち消せ。

◇ ◇ ◇

『お金が人を選んでいる』POP

『お金が人を選んでいる』POP


ケリー・チェ(Kelly Choi)

ヨーロッパ12ヵ国で寿司販売を中心としたアジア系食品フランチャイズチェーンを1200店舗展開する、グローバル企業「ケリーデリ(KellyDeli)」の創業者/会長(2021年当時)。全羅北道で生まれ、ソウルの縫製工場で働きながら夜間定時制高等学校を卒業。30代でパリでファッション事業を立ち上げるが、10億ウォン(約1 億円)の借金を抱える。これを機に、〈富者の思考〉と習慣を体得するため、1000人の成功者に学ぶ。2010年にケリー・デリを立ち上げ、2020年、「サンデー・タイムズ」が選ぶイギリスの資産家345位。

現在は、経営と〈富者の思考〉を伝えるために「ウェルシンキング・アカデミー」を設立。YouTubeやInstagram、講演活動を通じて啓発活動を続けている。著書に『パリでお弁当を売る女』(2021年、未邦訳)、『100日朝習慣の奇跡』(2023年、未邦訳)がある。。2022年には本書が大手ブックサイトYes24の「今年の本」に選出され、100刷突破記念刊行で表紙の装いを新たにした。

『お金が人を選んでいる』書影
『富者の思考 お金が人を選んでいる』
 ケリー・チェ[著]
 小笠原藤子[訳]
 CCCメディアハウス[刊]

(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)


ニューズウィーク日本版 トランプショック
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月22日号(4月15日発売)は「トランプショック」特集。関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ大統領「自身も出席」、日本と関税・軍事支援

ワールド

イランのウラン濃縮の権利は交渉の余地なし=外相

ビジネス

タイ、米国産LNGの輸入拡大を計画 財務相が訪米へ

ワールド

英平等法の「女性」は生物学的女性、最高裁が判断
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気ではない」
  • 2
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 3
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ印がある」説が話題...「インディゴチルドレン?」
  • 4
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 5
    【クイズ】世界で2番目に「話者の多い言語」は?
  • 6
    NASAが監視する直径150メートル超えの「潜在的に危険…
  • 7
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    「世界で最も嫌われている国」ランキングを発表...日…
  • 10
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 1
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 2
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 3
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 4
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 5
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 6
    投資の神様ウォーレン・バフェットが世界株安に勝っ…
  • 7
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 8
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 9
    まもなく日本を襲う「身寄りのない高齢者」の爆発的…
  • 10
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中