最新記事

株の基礎知識

一流の投資家は「いつ」株を買っているか アノマリーを検証する

2021年11月8日(月)10時45分
朋川雅紀 ※かぶまどより転載

■2月にひと息

11月から1月の最高の3か月にしっかり上昇すると、相場は2月にひと息つくのが通例です。1月の上昇率が大きいと、2月には調整するか揉み合うことが多くなります。そして2月末か3月初めには再び上昇を始めて、「最高の6か月」が終わる4月まで上げ続ける傾向があります。

■3月のバトル

3月相場に入ると、株価は月初めに押し上げられて、月末に打ちのめされる傾向があります。3月は、しばしば強気と弱気が闘う場となります。株価は3月中旬頃に下げがちで、時にはかなりの急落を見せることがあります。

■4月への期待

4月はダウ平均株価とS&P500にとって、「最高の6か月」の終わりとなります。4月の間、市場は第1四半期の収益結果に注目しています。ここでのポジティブサプライズが期待されやすく、相場は収益発表に先立って上昇します。

■5月では遅い

「5月に売って、相場から離れなさい(セルインメイ)」という相場格言がありますが、近年では、5月まで待ってから相場を離れるのでは遅過ぎるかもしれません。

それよりも、早目の4月に手仕舞って、その後に起こる数か月の苦痛を避け、暖かな天気や夏休みを楽しむことを考えたほうがよいでしょう。6~7月に相場から離れていても、良い収益機会を逃すことはほとんどありませんから。

5月は長年にわたって、油断のならない月でした。ダウ平均株価とS&P500にとって、5月は「最悪の6か月」の始まりになります。

■そして最悪が始まる

ナスダックは6月まで好調であることが多く、ナスダックの「最高の8か月」は6月まで続き、「最悪の4か月」が7月に始まります。

そして、すでに述べたように8月と9月のパフォーマンスはマイナスになることが多いです。

政治と相場──4年周期の絶好の買い時は

最後に、政治が相場に与える影響について考えてみたいと思います。

アメリカでは、大統領選挙が景気と株式市場に大きな影響を与えてきました。景気低迷や弱気相場は、大統領の任期の前半に起こり、景気好調と強気相場は任期の後半に起こる傾向があります。

そして、最大の相場上昇は、大統領選挙の前年に起こりやすいです。再選を勝ち取るために、大統領は痛みを伴う取り組みのほとんどを任期の前半に行い、任期の後半になると景気刺激策を行って、有権者が投票所に出かけるときに最も好景気になるようにするからです。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

中国CPI、2月は0.7%下落 昨年1月以来のマイ

ワールド

米下院共和党がつなぎ予算案発表 11日採決へ

ビジネス

米FRBは金利政策に慎重であるべき=デイリーSF連

ワールド

米国との建設的な対話に全面的にコミット=ゼレンスキ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:進化し続ける天才ピアニスト 角野隼斗
特集:進化し続ける天才ピアニスト 角野隼斗
2025年3月11日号(3/ 4発売)

ジャンルと時空を超えて世界を熱狂させる新時代ピアニストの「軌跡」を追う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 2
    ラオスで熱気球が「着陸に失敗」して木に衝突...絶望的な瞬間、乗客が撮影していた映像が話題
  • 3
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手」を知ってネット爆笑
  • 4
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 5
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 6
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 7
    テスラ大炎上...戻らぬオーナー「悲劇の理由」
  • 8
    中国経済に大きな打撃...1-2月の輸出が大幅に減速 …
  • 9
    鳥類の肺に高濃度のマイクロプラスチック検出...ヒト…
  • 10
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 1
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 2
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 3
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題に...「まさに庶民のマーサ・スチュアート!」
  • 4
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 5
    アメリカで牛肉さらに値上がりか...原因はトランプ政…
  • 6
    イーロン・マスクの急所を突け!最大ダメージを与え…
  • 7
    「浅い」主張ばかり...伊藤詩織の映画『Black Box Di…
  • 8
    「コメが消えた」の大間違い...「買い占め」ではない…
  • 9
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 10
    著名投資家ウォーレン・バフェット、関税は「戦争行…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 9
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チー…
  • 10
    イーロン・マスクへの反発から、DOGEで働く匿名の天…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中