最新記事

株の基礎知識

一流の投資家は「いつ」株を買っているか アノマリーを検証する

2021年11月8日(月)10時45分
朋川雅紀 ※かぶまどより転載

政府は、大統領選挙の年に経済を良く見せて有権者を喜ばせ、不人気な政策の実行を翌年まで先延ばしにします。それに対して相場は、人気のある大統領の再選や不人気の大統領が政権の座を降りたことを祝福して、上昇します。

時には打ちのめされるイベントが起きて暴落することもありますが、そうなると、たいてい政権交代が起きます。2020年も、新型コロナウイルスの猛威により、トランプからバイデンへの政権交代が起きました。

2000年(ITバブル崩壊)と2008年(リーマン・ショック)は例外でしたが、大統領選挙があった年に投資家が相場で痛手を被ったことは、ほとんどありませんでした。2020年も新型コロナウイルスの悪影響を受けたにも関わらず、最終的に株価は戻りました。

アメリカ大統領の任期は4年。この4年周期で絶好の買い時は、中間選挙の年の第4四半期になります。ちなみに、次の中間選挙は来年です。

アノマリーが発する警告

私がアノマリーの存在を初めて知ったとき、「何か胡散臭いもの」「使えないもの」と感じました。というのも、いつも相場はアノマリー通りに動かないからです。

その後、自分の考えが間違っていたことに気づきました。そもそも100%うまくいく手法などこの世の中には存在しないのです。

そこで、少しでもパファーマンスに役立つものは何でも取り入れようと心を入れ替えました。もしアノマリーが全く存在しないのであれば、各月のリターンの平均は似たようなs数字になるはずですが、実際はそうなっていません。つまり、月によってリターンに差があるのです。

もし相場がアノマリー通りに動かないのであれば、それは他の影響力のほうが強いということです。注意すべきという警告と受け取ることができます。

2021年は大統領選挙の翌年で、アノマリーによればパフォーマンスはあまりよくないはずですが、新型コロナウイルスの影響で景気刺激策を取り続けたことが、株価上昇をもたらしてきました。

相場は必ずしもアノマリー通りに動くわけではない。しかし、それこそがアノマリーの意義なのかもしれません。ぜひ、いつでも頭の片隅にアノマリーを。

2021-10-27

[執筆者]
朋川雅紀(ともかわ・まさき)
個人投資家・株式投資研究家。大手信託銀行やグローバル展開するアメリカ系資産運用会社等で、30年以上にわたり資産運用業務に従事。株式ファンドマネージャーとして、年金基金や投資信託の運用にあたる。その経験を生かし、株価サイクル分析と業種・銘柄分析を融合させた独自の投資スタイルを確立する。ニューヨーク駐在経験があり、特にアメリカ株式投資に強み。慶応義塾大学経済学部卒業。海外MBAのほか、国際的な投資プロフェッショナル資格であるCFA協会認定証券アナリストを取得。著書に『みんなが勝てる株式投資』(パンローリング)がある。

※当記事は「かぶまど」の提供記事です
kabumado_newlogo200-2021.jpg

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ロシア、インドの原油購入停止「承知せず」 米印合意

ワールド

ロシア、ウクライナのエネ施設に集中攻撃 新たな3カ

ワールド

焦点:外為特会、減税財源化に3つのハードル 「ほく

ワールド

スペイン、16歳未満のソーシャルメディア利用禁止へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗り物から「勝手に退出」する客の映像にSNS批判殺到
  • 3
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れるアメリカ」に向き合う「日本の戦略」とは?
  • 4
    トランプ不信から中国に接近した欧州外交の誤算
  • 5
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 6
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 7
    地球の近くで「第2の地球」が発見されたかも! その…
  • 8
    最長45日も潜伏か...世界が警戒する「ニパウイルス」…
  • 9
    中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
  • 10
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 5
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 6
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 7
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 8
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 9
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 10
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中