一流の投資家は「いつ」株を買っているか アノマリーを検証する
■10月恐怖症
10月はしばしばウォール街に悪夢を呼び起こすので、「10月恐怖症」という言葉が使われるほどです。1929年の大恐慌や1987年のブラックマンデーによる株価の暴落は、いずれも10月に起こりました。
10月は「ベアキラー」とも呼ばれ、しばしば弱気相場に終止符を打つ相場転換の月となるので、現在では1年のうちで株を買うのにふさわしい月のひとつといえます。
■11月から始まる
11月~1月は最も良い3か月です。株価が上昇する可能性が高いだけでなく、上昇自体も他の月に比べて圧倒的に大きくなる傾向があります。
感謝祭から年末にかけての休暇シーズンが始まる11月は、1年で最高の数か月の到来を告げます。ダウ平均株価とS&P500では「最高の6か月」が、ナスダックでは「最高の8か月」が始まります。また11月には、機関投資家の第4四半期の資金が市場に入ってきます。
■12月のサンタクロース
相場が12月に急落することはめったにありませんが、そうなるときには、たいてい相場の転換点であり、天井か底に近いということです。一方、下げに苦しんだ後に12月も急落するようなら、間もなく上昇が始まると思ってよいでしょう。
月の前半は、節税目的の売りと年末のポートフォリオの見直しが最高潮に達するので、相場は弱くなる傾向にあります。
市場がクリスマス休暇に入る直前かその直後に始まって、その年の最後の5日間と新年の2日間に、短いですが大きな上昇があり、これは「サンタクロースラリー」と呼ばれています。サンタクロースラリーが訪れなければ、金融市場に弱気相場が訪れるという警告になります。
■1月バロメーター
毎年、年初になると必ずこの話題が出ますが、「1月最初の5日間」によって、その年の市場環境を占うことができます。1月最初の5日間が上昇した年は好調な一年になることが多いようです。
年間の相場は1月の動きに似るという「1月バロメーター」は、これまで大きく外すことはほとんどありません。1月に下落すると、経済か政治か軍事面で、その後に問題が起きるという前兆になるということです。
1月に予測力があるのは、この月に起きる重要なイベントが多いからです。議会が新たに招集され、大統領が一般教書演説をして年間予算を提示し、国家目標と優先事項を決めます。また1月は資金が流入し、ポートフォリオが見直され、新たな投資戦略が策定されます。