最新記事

自己啓発

その悩みは「解決しなければならないもの」なのか?

2021年5月28日(金)16時20分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

この場合、8つ目の質問「どうすれば、もっとワクワクできますか?」を応用し、「自分はどう生きていきたいのか?」「人生をどんな時間で埋め尽くしたいのか?」という質問を自分に問いかければいい。

その質問によって、心の奥底にずっとしまっておいたことや、自分でも思ってもいなかったことを浮かび上がらせ、「その仕事(学校)を辞める/辞めない」以外の答えや考え方を導き出すことができる。それにより、現状を変える行動につなげることもできるのだ。

つまり、自分にいい質問をしないと悩みの本質は見えてこないし、解決のための新しい行動も生まれてこないということだ。

悩めば悩むほど自分らしく、幸せになる

そもそも悩みは「解決しなければならないもの」と考えがちだ。実際、解決のための「正しい答え」がネットや本、自己啓発セミナーなど巷にはたくさん溢れている。

しかし、「悩みは、解決することだけが答えじゃない」と河田氏は言う。

悩みとは、解決する以外にも、「解決しない(受け入れる)」方法もあるし、よりよく生きるために「悩み続ける」方法、自分のこだわりから自由になることで「悩まない」方法もあり、これらは全て等しく悩みとの付き合い方であるという。

そもそも、弱い自分を見せたくないと、悩みを抱えていること自体を秘密にしている人も少なくないが、悩むことは恥ずかしいことでも、後ろめたいことでもない。

悩みこそが人生を豊かにする「糧(かて)」であり、人は悩めば悩むほどに自分らしくなり、自分なりの幸せを見つける近道になることも、本書で強く指摘されている。

コロナ禍で、悩みを聞いてもらうために友達や家族と会うこともままならない今、不安や悩みを一人で抱えている人は多いかもしれない。

もしも自分の悩みに対する1つの「正しい答え」がすぐに欲しいのであれば、本書は望むような内容ではないだろう。

だが大切なのは、自分がぼんやり考えたり、モヤモヤと悩んだりしていることを言語化するヒントや、自分が納得のいく解答だ。なぜならその悩みは「解決しなければならないもの」でないかもしれないのだから。

悩み方教室――
 心のモヤモヤが晴れる8つの質問』
 河田真誠 著
 CCCメディアハウス

(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

イスラエル軍、ラファ住民に避難促す 地上攻撃準備か

ビジネス

ユーロ圏総合PMI、4月も50超え1年ぶり高水準 

ビジネス

独サービスPMI、4月53.2に上昇 受注好調で6

ワールド

ロシア、軍事演習で戦術核兵器の使用練習へ 西側の挑
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表...奇妙な姿の超希少カスザメを発見、100年ぶり研究再開

  • 4

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 5

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 6

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 9

    マフィアに狙われたオランダ王女が「スペイン極秘留…

  • 10

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中