1カ月でTOEIC 900点、1年で馬術日本一、2作目で小説家デビューした女性の最強時短スキル
1つ目は、新型コロナの感染拡大と被害が予想以上で、作品の中では「あり得る最悪の状況」として描いたことが予言になってしまったことだ。現実では死者も出ているから、今、この作品を世に出してよいものかと悩んだ。
2つ目は、脱稿後、応募締切が直近の新人賞に応募するつもりだったのに、読んだ人の全員が「5月締切の日ミスに応募すべきだ」と言ったことだ。過去の受賞作や選考委員のコメントを読み返す。結局、自分でも日ミスのほうが向いていると納得して応募し、受賞した。
どんなに良い作品を書いたとしても、競う相手がもっと素晴らしい作品を書いていたら受賞できない。運に助けられた部分もあったが、「情報収集力」によって受賞の確率を上げ、運を引き寄せられたと思う。
資格試験の合格も小説の新人賞受賞も、それ自体がゴールではない。運転免許と同じで、合格・取得した後にいかに活用するかが重要だ。
自分の人生を豊かにするために使うのか、あるいは社会に役立てるために使うのか。「その後」を深く考える時間を作るためにも、目標達成の時間は短縮するに越したことはない。
[筆者]
茜 灯里(作家・科学ジャーナリスト)
1971年、東京都調布市生まれ。東京大学理学部地球惑星物理学科、同農学部獣医学専攻卒業。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。博士(理学)、獣医師。朝日新聞記者、国際馬術連盟登録獣医師などを経て、現在、立命館大学教員。第24回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞。デビュー作『馬疫』(光文社)を2021年2月に上梓。
『馬疫』
茜 灯里 著
光文社
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