最新記事
メンタルヘルス

ウォーキング・セラピーは「どこでもいい」「ただ歩けばいい」わけではない

2020年3月12日(木)15時25分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

困難な状況を冷静に分析できるようになると、「私にはできない、やらない」と言っていた自分から、「私ならできる、やってみせる」と言える自分に変化していきます。自分の裁量で行動しているときの力強い感覚がよみがえってくる瞬間を、きっと実感できることでしょう。

初めのうちは簡単ではない場合もありますが、ウォーキングが可能な場所ではとにかく試してみることをお勧めします。練習を重ねるほど上達するのは世の常ですから。

最後にもう1つ、ウォーキング・セラピーを始めるに当たって、ぜひ心に留めておいてほしい点があります。歩き始めると、頭の中で色々な声が聞こえてきますが、良い物語にも悪い物語にも耳を傾けましょう。物語の結末を変える力はあなたの中にあるのですから。

準備体操をする

では、ウォーキング開始に向けて順を追って解説しましょう。まず、スケジュール帳に歩く時間を書き入れます。仮定の話や言い訳は禁止。1週間先までの予定を確認し、ウォーキングのための1時間を確保します。

1時間なんて長過ぎる? そんなことはありません。どんなに多忙な人でも1週間に1時間くらいはひねり出せるはず。スケジュール帳やオンラインのカレンダーに今すぐ書き込んでください。

歩く時間帯は、朝でもランチタイムでも夕方でも構いませんが、個人的には朝をお勧めします。新鮮な気持ちを感じやすく、一日の準備体操として心を整えられるからです。

書き入れましたか? 私はこの本を通して、皆さんに指図するような態度はできるだけ控えるつもりですが、約束事が極めて重要な局面があるのも事実です。ウォーキングの予定を書き入れることは、そんな約束事の1つ。変更不可の「絶対に尊重されるべき務め」を設定しておくことが、弱気になったり、先行きに不安を覚えたりしたときに自分の力を信じる土台となります。

どこを歩くか

やみくもに歩き始める前に、自宅の周辺環境を観察しましょう。都会? 郊外? それとも田舎? 田舎であれば、緑豊かなエリアや小道を探すのは難しくないでしょう。一方、都会や郊外の場合は自然が少ないと考えがちですが、実はそうでもありません。ロンドンだけでも、3000以上の公園と、3万5000エーカーの緑豊かな公共空間、そしてなんと800万本もの街路樹があります。つまり、どんな大都会の住人にも、自然豊かな場所を見つけられない理由などないわけです。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 8
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 9
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中