最新記事
キャリア

日経新聞を読み切れなくても「むしろいい」と、トッププレゼンターが言う理由

2018年12月26日(水)16時20分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

なぜかと言うと、思考メモは何らかの気づきや思いを文章化することですから、外部からのインプットを脳が消化し、それを記憶、知恵化するという行為です。例えてみれば、私の脳が、入ってきた刺激をもぐもぐと消化し、自分の栄養分として蓄えていくという感じでしょうか(図4)。

smartphonememo181226-chart2.png

『スマホメモ』24ページより

結果として、日常生活におけるインプットの時間が減り、消化の時間が多くなってきたと感じています。

インプットが目に見えて減ったというのを具体的に言うと、まず私はTV番組をほとんど見なくなりました。新聞雑誌も日経新聞と日経ビジネスを取っているのですが、以前より読み切れていません。最近では、読み切れていないレベルがけっこう尋常でなく、いつか読もうと思って取っておくのですが、机の周りにどんどんたまっていき、結局最後には読まずに捨ててしまうという、普通の価値観から言えばもったいない行為を繰り返しています。

なぜこんなにも読まなくなったかと言うと、少し読むたびに何か気づきがあり、「あっ、この考えメモしておきたい」という衝動に駆られ、ついスマホを取り出してメモしてしまうからです。そうすると、その分読む時間が割かれ、メモする時間、つまり、消化の時間になってしまうのです。

あなたも変われる

読まないで捨てられていく新聞を見ながら、でも私は、せっかくの情報を全部インプットできてないからもったいないなあとは全然思いません。

むしろ、今までがインプットの時間が長すぎたのではないだろうか。TVをのんべんだらりと見ているよりも、スマホメモで自分の考えを明確化し、記録しておく行為の方がよっぽど楽しいと思い始めています。

成毛眞さんも、近著の『黄金のアウトプット術』(ポプラ社刊)で、これからはインプットではなくアウトプットの質量で価値を発揮する時代になると述べていますが、私も同感です。

で、そのアウトプットの領域は、本でもブログでもSNSでもなんでもいいと述べているのですが、私はスマホメモはその発射台になるものだと思っています。

メモ自体は、例えば、ブログやSNSのように具体的に相手がいて発信される性質のものではありませんが、自分の気づきを自分がわかるように記述するという意味では、スマホメモはアウトプットときわめて似たような行為であり、さらに言えば、それらをSNSで発信する時の質を高め、威力を増す行為であると思います。

本書を読んでいただければ、あなたもすぐにそういうライフスタイルに変身できます。なぜなら、スマホメモは小難しいことや忍耐が必要とされることなどまったくなく、これを取り入れるだけで、脳がアウトプットしたいと欲するように仕向けられるからです。

※第2回:脳を覚醒させ、定年後も時代遅れにならずにいられる「メモ術」
※第3回:スマホメモ:何を、どのアプリで、どうメモれば脳を活性化できるか


スマホメモ――仕事と人生の質を上げるすごいメモ術
 須藤 亮 著
 CCCメディアハウス


20250318issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年3月18日号(3月11日発売)は「日本人が知らない 世界の考古学ニュース33」特集。3Dマッピング、レーダー探査……新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

NATOのウクライナ巡る行動に「核紛争リスク」、ロ

ビジネス

トランプ氏、4月2日の相互関税発動に変更なし

ビジネス

米2月の卸売物価は前月比横ばい、関税措置が今後影響

ワールド

トランプ氏「ロシアの正しい対応に期待」、ウクライナ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
2025年3月18日号(3/11発売)

3Dマッピング、レーダー探査......新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 2
    【クイズ】世界で1番「石油」の消費量が多い国はどこ?
  • 3
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 4
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 5
    SF映画みたいだけど「大迷惑」...スペースXの宇宙船…
  • 6
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 7
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ…
  • 8
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 9
    「トランプの資産も安全ではない」トランプが所有す…
  • 10
    「紀元60年頃の夫婦の暮らし」すらありありと...最新…
  • 1
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 2
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 3
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 4
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 5
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 6
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 7
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 8
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 9
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 10
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 6
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 9
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 10
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中