起業のよくある質問:借金やSNS炎上が心配なんですが...
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<起業したほうがいい、それこそ人生の選択肢を広げる生き方だ――と言われても、未経験者からすれば不安は尽きない>
会社を設立し、売却し、さらにまた会社を設立し、売却し......ということを延々と繰り返す「シリアルアントレプレナー(連続起業家)」。
15歳で最初の起業をし、起業と売却を繰り返してきた正田圭氏(31歳)は、連続起業という「文化」をもっと日本に広めたいと『サクッと起業してサクッと売却する――就職でもなく自営業でもない新しい働き方』(CCCメディアハウス)を上梓した。
連続起業こそが時間とお金の両方を手に入れ、人生の選択肢を広げる生き方だと正田氏は言うが、未経験者からすれば不安は尽きない。借金で周りに迷惑が掛からないか、もし起業に失敗したら就職が難しくならないか、会社はいくらで売るのを目標にすればよいか......。
そういった起業にまつわる疑問に答えた本書の「第3章 起業のFAQ」より、一部を抜粋する。
※第1回:会社を売って何が悪い? 起業に崇高な理念など必要ない
※第2回:起業は1度目より2度目が「ダントツで有利」な理由
起業家のプライバシー問題
Q:起業家になったら叩かれるって本当ですか?
皆さんが起業しようとすると、フェイスブックやツイッター、ブログなど、いくつかのSNSを活用していくことになると思う。
好き嫌いにかかわらず、時代の流れとしてやらざるをえない可能性は高い。実は僕自身、SNSが大っ嫌いでこれまでやったことはなかったが、最近始めた(始めさせられた)。
「なぜフェイスブックをやらないのか?」「SNSで自己開示していない経営者は胡散臭い」という世の中の風潮を作り出したのは、レオス・キャピタルワークスの藤野英人さんだ。彼の起業家に対する影響は非常に大きい。
僕が長年拒んでいたフェイスブックも、藤野さんに「フェイスブックメッセンジャーで連絡してよ」って言われたからアカウントを開設した(藤野さんみたいな大御所にそう言われたら、作らないわけにはいかない。そんなわけで、自分のフェイスブックの友達第一号は光栄なことに藤野さんだ)。
彼が、様々な記事や書籍で「社長が顔出ししない会社の業績は下がる」とか「スリッパを履く会社には投資するな」と発信しているため、起業家としては変なところでマイナス影響を受けたくないからその通りにする。
これらのデータを検証したわけではないので真偽はわからないが、少なくとも僕の会社が過去最高益をたたき出した年は、ホームページに顔写真は出してなかったし、まさにスリッパに履き替える会社だった。今年になってホームページに顔写真も出し、会社を引っ越してスリッパに履き替えない会社になったが、例年よりも業績は少し悪い。
とはいえ、経営者にSNSは必須な流れになってきている。面識のない人と「お会いしましょう」となると、みんな「会社名 名前」や「会社名 社長」で検索して、検索順位が上位のいくつかのサイトにはパッと目を通してくる。
そこで何も出てこないと、なんかこの人大丈夫かな......となってしまうのだ。