エディー・ジョーンズに学ぶ「気配り」のリーダーシップ
"I don't know." と言える
「選手に教える」よりも「自分が教わる」という意識が先に立つ。
これは、優れたコーチに共通する最も重要な資質である。
単に謙虚であるとか、姿勢だけのレベルではない。
毎日のトレーニングや試合の後に、自身のコーチングや指導について選手からフィードバックを受ける場を設けたり、個別にヒアリングをしたりと、行動レベルで実践している。
コーチが自ら頭を下げ、「教えてほしい」といって学ぼうとする気概は、選手にもストレートに伝わる。「プライドを捨ててまで学ぼうとしている。それほど成果を出すことに本気なのだ」と。
選手の意見を何も聞かずに君臨するコーチよりも、かえって迫力を感じるのではないだろうか。
学ぶことに貪欲であれば、"I don't know." も素直に言える。コーチから「分からないので教えてくれ」と言われた選手は、「教える」という経験を通じて組織に貢献することになる。チームづくりのステージに立っている、という実感が、結束や連帯感を強めることにもなる。
筋書きを巧みに描きながら "I don't know." を言えるかどうかが、成果に結びつく。
『【新版】リーダーシップからフォロワーシップへ
――カリスマリーダー不要の組織づくりとは』
中竹竜二 著
CCCメディアハウス
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