最新記事

投資の基礎知識

投資家が夢見る、大化けする銘柄「テンバガー」の見つけ方

2017年9月15日(金)10時20分
岡田禎子 ※株の窓口より転載

テンバガーを見つけたら

夢のような時間は案外短い

テンバガーの株価チャートには、特徴的なパターンがあります。それは、次のような形です。


低位で横ばいに推移していた株価が → サプライズによって投資資金が流入 → 出来高急増を伴う急激な株価上昇 → 利益確定の売り → 急激な下落

たとえば、ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>は、スマホゲーム「パズル&ドラゴンズ」の大ヒットによって、低位横ばいで推移していた株価が急騰しました。このとき、出来高急増を伴って株価が大幅に上昇していることがチャートから見て取れます。

kabumado170915-chart9b.png

しかしその後、増益率の低下や次のヒット作が見当たらないことから、株価は急落します。このように急激に上昇した株というのは、成長性の鈍化や、投資家の関心が次のテーマに移ることで、急激に下落する傾向にあるのです。

せっかく見つけたテンバガーも、利益確定をしないと意味がありません。「もう少し持っていればもっと上昇するかも」などと売り時を逃さないよう、株価動向を注意深く見守ることが肝要です。

【参考記事】重要なのに情報が少ない、「利益確定」は株式投資の盲点

偶然もなければ、絶対もない

ピーター・リンチは著書の中で、「11銘柄のうち1銘柄でも当たれば(テンバガーになれば)、たとえ残り10銘柄に損をするものが出ても、全体として投資に成功したことになる公算が大きい」と述べています。

テンバガーは偶発的に生まれるものではありません。ここで紹介した「テンバガーになりやすい傾向」を持った銘柄を見つけたら、少額ずつ投資してみるのも良いでしょう。ただし、すべての傾向に当てはまるからといって"必ず"テンバガーになるわけではない、という点をお忘れなく。

<投資家の夢といわれる「テンバガー」も、実は意外なほど数が多く、しかも身近なところに存在しています。重要なのは、ひとつの銘柄に大きく"賭ける"ことではなく、伝説のファンド・マネージャーが言うように「1勝10敗」でも全体として利益が出るようにすることです>

[筆者]
岡田禎子[おかだ・さちこ]
証券会社、資産運用会社を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。資産運用の観点から「投資は面白い」をモットーに、投資の素晴らしさ、楽しさを一人でも多くの方に伝えていけるよう、執筆、セミナーなどで活動中。個人投資家としては20年以上の経験があり、特に個別株投資については特別な思い入れがある。
日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)
ファイナンシャル・プランナー(CFP ®)

※当記事は「株の窓口」の提供記事です
kabumado_logo200.jpg

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米新規失業保険申請は6000件減の21.3万件、4

ビジネス

ECB、12月にも利下げ余地 段階的な緩和必要=キ

ワールド

イスラエルとヒズボラ、激しい応戦継続 米の停戦交渉

ワールド

ロシア、中距離弾道ミサイル発射と米当局者 ウクライ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 5
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 10
    中国富裕層の日本移住が増える訳......日本の医療制…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中