最新記事

投資の基礎知識

投資家が夢見る、大化けする銘柄「テンバガー」の見つけ方

2017年9月15日(金)10時20分
岡田禎子 ※株の窓口より転載

テンバガーの探し方

時代のトレンドを捉えた急成長企業

ディップ<2379>は、アルバイト求人サイト「バイトル・ドットコム」を展開している企業です。国民的アイドルを使った広告戦略などを武器に業績を拡大し、2004年に東証マザーズへ上場、2013年に東証1部上場を果たしました。

アベノミクスで打ち出された「一億総活躍社会」というテーマによって、人材サービス関連株は飛躍的に上昇しました。なかでもディップは、ユーザーの仕事探しがスマホに移行したことが追い風となって業績面も裏付けされ、2013年初頭の安値から2016年7月にかけて、株価は60倍以上の驚異的な上昇を遂げました。

kabumado170915-chart3b.png

kabumado170915-chart4b.png

このように時代のトレンドやテーマ性を持った急成長株は、業績も年率2ケタを超える成長を見せ、テンバガーを超えた「大出世銘柄」となることがあります。

話題性があり業績が急拡大している企業

ピーター・リンチは、タコスチェーンのタコ・ベルやダンキンドーナツに自ら足を運んで、常に消費者目線を忘れないリサーチを行なっていたと言われています。

ペッパーフードサービス<3053>は、「ペッパーランチ」などのレストランを展開する企業です。2009年には、O-157による食中毒が全国に広がったことで業績が悪化しました。しかし様々な改善策によって2012年には業績が底打ちし、2013年に展開を始めた「いきなりステーキ」も話題となって快進撃を続けました。株価も、2012年から現在にかけて20倍以上の大幅上昇となっています。

kabumado170915-chart5b.png

kabumado170915-chart6b.png

多店舗展開というビジネスモデルで急成長する企業は、小売業に多く見られます。「磯丸水産」で知られるクリエイト・レストランツHLD<3387>や、東北でドラックストアを展開する薬王堂<3385>もテンバガーとなっています。

【参考記事】未来のアップルを探せ! 成長株を見極める5つのポイント

企業の成長によるテンバガーがある一方で、短期資金の流入によるテンバガーもあります。テンバガーといえば、こちらのイメージのほうが強い方もいらっしゃるかもしれません。次に紹介するのは、そんなテンバガーの例です。

旬なテーマがある企業

「旬のテーマ」はテンバガーの重要な手がかりです。テーマはその時々で変化していきます。

たとえば、リミックスポイント<3825>。電力事業を中心に展開する会社ですが、2016年、新規事業として仮想通貨取引業を行う「BITPoint」を設立しました。ビットコインなど仮想通貨への注目度の高まりとともに、ビットコイン関連銘柄として資金が流入し、足元の株価は暴騰しています。

kabumado170915-chart7b.png

過去には、インバウンド銘柄が注目を浴びたときに、ドンキホーテ<7532>、ラオックス<8202>などの株価が大きく上昇しました。2016年にはフィンテック銘柄として、さくらインターネット<3778>、マイナンバー銘柄では、ITbook<3742>などがテンバガーとなっています。

業績拡大が期待できる材料がある

ミクシィ<2121>は国内SNS「ミクシィ」を運営していますが、収益の柱は2013年10月に投入したスマホゲーム「モンスターストライク」です。この大ヒットによって、2015年3月期の営業利益は対前年比110倍近くとなり、株価も大きく値上がりしました。

その後はやや低迷しましたが、現在は主力の「モンスト」の大型アップデートで復調し、大きく株価を回復させています。

kabumado170915-chart8b.png

ミクシィやガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>、コロプラ<3668>などスマホ関連のゲーム開発企業は、大ヒット作が出ると業績に与えるインパクトが非常に大きくなります。そのため、業績拡大への期待感から資金が流入し、テンバガーになる可能性が高くなるのです。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ロシアがICBM発射、ウクライナ発表 初の実戦使用

ワールド

国際刑事裁判所、イスラエル首相らに逮捕状 戦争犯罪

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部の民家空爆 犠牲者多数

ビジネス

米国は以前よりインフレに脆弱=リッチモンド連銀総裁
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 2
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 3
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 4
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 5
    「ワークライフバランス不要論」で炎上...若手起業家…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    習近平を側近がカメラから守った瞬間──英スターマー…
  • 8
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 9
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 10
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国」...写真を発見した孫が「衝撃を受けた」理由とは?
  • 4
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 5
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 6
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
  • 7
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 8
    建物に突き刺さり大爆発...「ロシア軍の自爆型ドロー…
  • 9
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 10
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶり…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中