最新記事
トランプ関税

コメ譲歩に慎重論、自動車関税は不透明...日米2回目の交渉へ

2025年4月28日(月)11時02分


   
だが、日本は7月に参院選挙を控え、与党の自民党は自国に不利になるような合意、とくに重要な票田であるコメ農家に不利になりかねない合意をすることに懸念を示している。

また、すでに発効した25%の自動車関税から日本が除外されない限り、コメで譲歩する必要はないとの声が複数の政府・与党関係者から聞かれる。自動車は日本の対米輸出の3割近くを占め、日本側は交渉の最優先事項に位置付けているが、これまでの米側とのやりとりで日本だけ例外にはできないとの感触を得ていると、複数の政府関係者は話す。


 

トランプ政権は5月3日までに自動車部品への関税発動も計画している。

自民党は25日、「農林水産品を犠牲にするような交渉方針は断じて受け入れられない」などとする決議文を江藤拓農水相に申し入れた。一方、党の森山裕幹事長は米国産のトウモロコシと大豆の輸入拡大には理解を示しており、日本側は交渉カードとして検討していく可能性がある。

6月のG7で合意との見方

日本にとっての安心材料は、為替と安全保障が関税交渉と切り離されたことだ。為替を巡る交渉は別の枠組みで話し合うこととなり、実際に25日、ワシントンで加藤勝信財務相とベッセント財務長官が会談した。在日米軍駐留費を含む安保の問題についてはトランプ大統領が24日、関税交渉の取引材料にしないと明言した。

それでも、日米交渉を巡る見通しは、訪問先のバチカンで25日にトランプ大統領が語った「(合意は)極めて近い」とする見方とは対照的だ。ロイターは22日、ワシントンの関係者の話として、日米が暫定的な協定の締結に近づいているものの、主要な懸案の多くは先送りされていると報じた。最終的な合意に至らない可能性もあるという。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

新教皇選出のコンクラーベ、5月7日開始 バチカン発

ワールド

プーチン大統領、対独戦勝80年で5月8-10日の停

ビジネス

独メルク、米バイオのスプリングワークス買収 39億

ワールド

直接交渉の意向はウクライナが示すべき、ロシア報道官
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドローン攻撃」、逃げ惑う従業員たち...映像公開
  • 4
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 7
    体を治癒させる「カーニボア(肉食)ダイエット」と…
  • 8
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 6
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 7
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 8
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 9
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 9
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 10
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中