中国個人投資家が「AIモデル」に夢中...DeepSeekで一変した理由とは?
一方、中国のソーシャルメディア上には、ディープシークを使って企業評価や銘柄選定、取引戦略プログラミングなどを行う方法を教える講座がひしめき合っている。
「クオンツのツールを使って銘柄を選ぶと時間を大いに節約できる」と語るのは杭州市のトレーダー、ウェン・ハオさん。「ディープシークはプログラミングにも使える」と言い、売買のタイミングを見極めるのにコンピュータープログラムを用いていると説明した。
ブラックロックやルネッサンス・テクノロジーズ、トゥー・シグマなどの米巨大ファンドも、しばらく前からAIを投資に活用している。アナリストは、ディープシークのオープンソース型モデルが登場したおかげで、中国では小規模な資産運用会社や個人投資家でさえ恩恵を受けられると言う。
中国では米国の生成AI「チャットGPT」は使用が禁止されている。
ディープシークに絶大な信頼
クオンツ取引に対する認識が好転したのと同じタイミングで、ここ数年低迷していた中国株も今年は好スタートを切った。
ゴールドマン・サックスによると、MSCI中国株指数の年初来のパフォーマンスは過去最高で、ブローカーは競ってAIモデルをプラットフォームに取り入れようとしている。
湘財証券のジョウ・ルフェン社長は「将来、中国の投資家は投資決定と売買注文の方法をがらりと変えるだろう。顧客は以前ならウェルスマネジャーに投資アドバイスを求めていたが、これからはディープシークに聞く」と語った。