トランプ「買収は望まないが、投資は大好きだ」USスチール問題の裏側

ホワイトハウスに到着した石破を出迎えるトランプ(2月7日) ANDREW LEYDENーNURPHOTOーREUTERS
<絶体絶命の危機にあった日本製鉄のUSスチール買収計画は、息を吹き返したのか?>
トランプ米大統領は2月7日、日本の石破茂首相との日米首脳会談後の共同記者会見で、日鉄はUSスチール(US steel)の買収ではなく、同社への多額の投資を検討していると述べた。
「彼らはUSスチールを所有するのではなく、多額の投資を行うことで合意した」と、トランプは語った。さらに近く日鉄のCEOと会談し、「調停と仲裁」を行う意向も示した。
日本最大の鉄鋼メーカーである日鉄が、USスチールの設備の更新と追加投資を柱とする買収計画を発表したのは2023年12月。USスチールはアメリカの主要鉄鋼メーカーで、製鉄という戦略産業で約2万人を雇用している。
トランプはもともと日鉄の買収計画に反対だった。1期目のトランプ政権では、ほとんどの国に対して鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の関税を課していた。
「日鉄はアメリカの鉄鋼に対し、とてもエキサイティングなことをしようとしている」と、トランプは言った。
「USスチールは私たちにとってとても重要な会社だった。何年も前......8年前には、15年間にわたり世界で最も偉大な企業だった。私たちは(同社がアメリカから)出ていくのを見たくなかった。実際、心理的な抵抗感がある」