「飲みに誘うのはNG」は本当?「ある日突然」退職するZ世代...管理職に不足しているものを知ろう

2025年2月13日(木)11時26分
flier編集部

小栗隆志『Z世代の社員マネジメント』

『Z世代の社員マネジメント』著者の小栗隆志さん(flier提供)


──Z世代の傾向は、どんな背景から生まれているのでしょうか。

「賞賛よりも承認」については、よくも悪くも目立つことに恐怖感があると考えられます。金間大介さんの著書『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』(東洋経済新報社)でも、「ほめられても後でたたかれるのではないか」という不安が解説されていました。


そもそも、人はいつの時代も自由になると二極化します。古屋星斗さんの著書『ゆるい職場』(中央公論新社)では、「この職場にいると転職できなくなるのではないか」という不安から転職する若手について書かれていました。私の推測を含みますが、「失敗を恐れ挑戦しない人」と「リスクをとってでも挑戦して成長実感を求める人」に二極化しているのだと思います。

経営学者チェスター・バーナードは、組織における人間には2つの人格があると唱えています。それは個人人格と組織人格です。個人人格とは、自由な意志に基づいて、何にどのくらいの時間や労力を割くかを決める人格のこと。一方、組織人格とは、組織の指針によって特定の役割を担うことを強制されて行動する人格を意味します。

この組織人格と個人人格でいうと、昭和の特に高度経済成長期はある意味、個人人格が軽んじられた時代といえます。「企業が給与を払っているのだから、組織人としての役割を全うせよ」と。ところが、バブル崩壊後の平成では、企業が社員全員を雇い続けることができなくなった。整理解雇も始まると、個人人格の反乱ともいうべき状況が生まれ、「ずっと一社にいるわけではないし、自由意志でキャリアを築くんだ」というキャリア観が芽生えていった。それに伴い、転職市場も広がっていった流れです。

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