最新記事
聞く

銀座のママが断言!場の空気を一瞬で悪くする「絶対NGの3K話」とは?

2025年2月4日(火)17時08分
伊藤 由美(銀座「クラブ由美」オーナー)*PRESIDENT Onlineからの転載

「耳を傾ける」と「聞き流す」はどう違うのか

一般的に広く使われる「聞く」は、どちらかというと「音声を情報として受信する」ようなニュアンスです。

ただ「聞こえている」になると、事情は少し変わってきます。

「聞く」には、まだ積極的な情報収集行動も含まれるのですが、「聞こえている」はお店のBGMのように、自然と耳に音が入ってきているだけ。極端に言えば「鼓膜が振動して音として認識している」に近いニュアンスになります。

こうした姿勢については、英語でも表現が使い分けられています。

「きく」を表す単語は主に「listen」と「hear」の2種類ですが、やはりニュアンスには違いがあります。「listen=意思を持って耳を傾ける=聴く」なのに対して、「hear=音や声が自然に耳に入ってくる」なんですね。


ですから、Bさんの言う「聞こえてるよ」では、Aさんの話を真剣に理解しようと耳を傾けていることにはなりません。Aさんの声が耳に入ってきているだけ。悪意的に取れば「聞き流している」というニュアンスになってしまうでしょう。

学生時代、授業で先生の話をボーッと聞いていて、突然指名されたときに答えられず「聞いていませんでした」──そんな経験はありませんか。それも「音声としては聞こえていたけれど、内容を理解していない」状態の一例です。

積極的な「聴く姿勢」がビジネスでは欠かせない

コミュニケーション、とくにビジネスにおける会話では、相手の話を理解しようと「真摯に積極的に耳を傾ける」という能動的な姿勢が重要なのは言うまでもありません。

そのためには、聞こえているは論外として、「聞く」よりももっと積極的に意識を傾けるニュアンスを持つ「聴く」という姿勢を意識することが大切になります。

まずは自分の話をするのではなく、相手の言っていることを「聞く」。そこからさらに相手の気持ちや伝えたいことを理解したり、質問したり、共感したり、議論するために、より意識を向けて身を入れて「聴く」。

こうした積極的な姿勢が会話による相互理解を深めていくのです。

「人の話を聞いているようで、その実、何も聞いていない」という人がいます。これほど失礼なことはありません。

相手の話を、どのような姿勢で「きく」のか。相手の言葉をただの音声情報として耳に入れるのか、その意味するところを理解しようと真剣に向き合うのか。

すべては「きく」側の意識の問題です。相手の話には真剣に耳を傾ける。それは会話が上手い下手という以前の、人づき合いの基本マナーです。


伊藤由美『銀座のママに「ビジネス哲学」を聞いてみたら』(ワニブックスPLUS新書)伊藤由美『銀座のママに「ビジネス哲学」を聞いてみたら』(ワニブックスPLUS新書)(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

※当記事は「PRESIDENT Online」からの転載記事です。元記事はこちら
presidentonline.jpg

20250318issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年3月18日号(3月11日発売)は「日本人が知らない 世界の考古学ニュース33」特集。3Dマッピング、レーダー探査……新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米ブラックストーン、トランプ大統領の通商政策支持

ワールド

30日間停戦、より広範な和平計画策定を可能に=ウク

ビジネス

カナダが報復関税、298億カナダドル相当の米輸入品

ビジネス

カナダ中銀0.25%利下げ、トランプ関税で「新たな
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
2025年3月18日号(3/11発売)

3Dマッピング、レーダー探査......新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 2
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「腸の不調」の原因とは?
  • 3
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 4
    株価下落、政権幹部不和......いきなり吹き始めたト…
  • 5
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 6
    トランプ第2期政権は支離滅裂で同盟国に無礼で中国の…
  • 7
    113年間、科学者とネコ好きを悩ませた「茶トラ猫の謎…
  • 8
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 9
    SF映画みたいだけど「大迷惑」...スペースXの宇宙船…
  • 10
    「トランプの資産も安全ではない」トランプが所有す…
  • 1
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 2
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 3
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 4
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 5
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 6
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 7
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 8
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 9
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 10
    「コメが消えた」の大間違い...「買い占め」ではない…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中