最新記事
ネットビジネス

中国系通販サイト、年末商戦で「おもちゃ強化」...偽造品の懸念も

2024年12月2日(月)17時45分

ポップマーケットなどの玩具販売業者は、手数料の安さにひかれてシーインやテムでの販売を増やしている。

シーインは新規販売者に対して、最初の3カ月間は手数料を免除し、その後は10%を請求する。テムは以前、同社が招待した販売業者しか出品できない仕組みだったが、今月から米国を拠点とする全ての販売者に対して申請受付を開始したと明かした。

しかしMGAなどの玩具メーカーは、シーインとテムで「偽物」が売られる可能性を懸念している。MGAのラリアンCEOは、特にウォルマート、アマゾン、ターゲットによってホリデーシーズンのトップ玩具に選ばれた新ミニチュア玩具ブランド「ミニバース」の偽造品が心配だという。


 

ラリアン氏によると、MGAの弁護士は、偽造品をより厳しく取り締まる方法についてシーインおよびテムの法務部門と協議中だ。同氏は、偽造品には不適切な年齢表示が成されていたり、幼児が窒息する恐れのある小さな部品が付いていたりする可能性があると語った。

カナダのトロントに拠点を置く玩具メーカー、スピン・マスターの広報担当者は、同社が発売した生後6カ月の乳児向け人形の新製品の偽造品がテムとシーインで売られていると指摘。これらの製品は品質と安全性のテストを受けていないのではないかとの懸念を示した。

テムの広報担当者は、スピン・マスターから11月8日に知的財産権上の懸念について連絡を受け、「すぐに調査を行い、問題の商品を削除した」と述べた。

玩具メーカー、ファット・ブレイン・トイズのマーク・カーソン社長は、シーインとテムのサイトで自社製品を販売すべきかどうかを判断する前に、両社の動向を注意深く見守るつもりだ。カーソン氏は「消費者が最安値を求めて(これらのサイトに)殺到しているからといって、すぐに販売するつもりはない。わが社のためになるものでなければならない」と話した。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20250121issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年1月21日号(1月15日発売)は「トランプ新政権ガイド」特集。1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響を読む


※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 5
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 6
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 7
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 8
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    雪の中、服を脱ぎ捨て、丸見えに...ブラジルの歌姫、…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中