夫婦間の不仲から米社会の分断まで...「不健全な対立」を「健全」に変える2つの方法
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<政治的な対立、戦争、夫婦喧嘩、子どものいじめ......。対立には「よい対立」と「悪い対立」があり、健全な対立はむしろ必要だと、米ベストセラー作家のアマンダ・リプリーは言う。だがどうやって?>
「対立」――この言葉にあまりいいイメージはないかもしれない。広辞苑を引いても、「二つのものが反対の立場に立って張り合うこと」とある。
だがそんな対立にも「よい対立」つまりは「健全な対立」もあり、「健全な対立」はむしろ積極的に行っていくべきだと、アメリカのベストセラー作家、アマンダ・リプリーは言う。
今も私たちの周りにはさまざまな対立が存在している。大きいものは国内の野党対与党や米国の民主党対共和党といった政治的な対立。もちろん戦争もそうだ。米国の分断が浮き彫りになった大統領選から、終わりの見えないウクライナ戦争、ガザ紛争まで、政治的な対立を挙げればきりがない。
身近なところでは、夫婦喧嘩や子どもたちのグループ同士の対立も。喧嘩が不倫や離婚といった結末を迎えることは珍しくないし、子ども同士の対立がいじめに発展し、悲惨な事件につながるケースもある。
そう考えると、対立などないほうがいいと思うだろうが、これらはいずれも「不健全な対立」だ。そして「不健全な対立」には人々を引きずり込む強い力がある。
だからこそ、その力を見極め、抗い、「健全な対立」に変えていこうと、リプリーは新著『よい対立 悪い対立――世界を二極化させないために』(筆者訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)で訴える。各界から賛辞が寄せられた同書は、膨大なインタビューと最新の研究から「対立の力学」を解き明かした1冊だ。