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「THE SMOKIST COFFEE」4周年...非喫煙者も支持する「喫煙目的店」の現在地

2024年11月28日(木)10時00分
写真:林 直幸 文:高野智宏

「4分に1度」の空気循環で清潔な空間をキープ

より良い喫煙環境を実現するため、「THE SMOKIST COFFEE」では厚生労働省の基準を大幅に上回る空気清浄システムを導入している。

「通常の空気清浄機は給気口と排気口が近い位置に設置されている『ショートサーキットシステム』ですが、これでは排出したきれいな空気を再び吸気するなど、効果が半減してしまいます。弊店では給気口から吸った汚れた空気を、天井裏に通したダクト内できれいな空気へと清浄し、離れた位置にある排気口から排出する『ロングサーキットシステム』を採用し、4分に1回以上空気を循環させることで、室内をクリーンに保っています」

「これは、厚労省が新型コロナウィルス感染症予防を目的に商業施設等で推奨する換気回数『30分に1回』の8倍以上の回数です。また、電子式集塵フィルターを内蔵し、タバコの煙から発生する粉塵(0.3μ以上)を95%以上除去する大型の集塵装置を配置し、匂いを抑制しています。全5店舗でこのシステムを搭載していますが、1店舗につき約500万円の設備投資が必要です」

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非喫煙者から寄せられた「好意的な反応」

「THE SMOKIST COFFEE」は改正健康増進法が定める「喫煙目的施設」に該当し、席で喫煙しながらの飲食が可能だが、「主食を除く」という制約がある。

「例えば、カレーにルーをかける、パスタにパセリをふりかける、といった調理ができません。この制約に合わせ、行政と相談しながら商品開発を進めました」

だが、この規制は「人件費削減」というメリットももたらしたという。

「従来店では運営に5〜7名必要ですが、『THE SMOKIST COFFEE』なら2〜3名で対応できる。時給は他の店舗より高めですが、それでも人件費を大幅に抑えられました」

開業当初は非喫煙者からのクレームを心配していたが、結果は好意的な反応が大半だった。「喫煙マナーが改善されて嬉しい」という声や、喫煙者からの空気環境への高評価が寄せられ、業績もオープン後半年で赤字は半額に、1年後には黒字へと転換し、4周年を迎えた現在も好調を続けている。

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