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オードリー・タンは生活にも「/」を入れる...「スラッシュワーカー」になる方法、超える方法

2024年11月15日(金)11時35分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

オードリーが参加する七つのNGOは、オランダ・ニューヨーク・スペインなどを拠点としているため、それぞれの土地に社会的なネットワークを持っている。七つのNGOが理事会を開くのは多くて四半期に一度、あるいは半年に一度くらいだ。オードリーにとっては、時間的な負担は少ない割に大きなメリットがある。

NGOごとに異なる人脈ができ、互いに力を貸し合ったり、知識を共有したりできることだ。「パンデミック後の世界はどう変わるか」といったテーマや、長年研究してきたテーマについて討論すれば、七つの異なる視点からの意見を聞ける。今までとは違う視界が開け、新たな世界に触れることができるのだ。

もはや「スラッシュ族」はごく一般的な働き方になっているが、数年も経てば、職業や肩書きではなく、探求するテーマそのものがアイデンティティになる時代が来ると考えられる。

かつての「一つの会社に勤め上げる」という考えはもはや消えつつあるし、退職金も期待できない。そんな時代だからこそ、会社から与えられた肩書きではなく「自分が何に興味を持ち、何を専門にしているか」によって評価されたいと考える人が増える。

専門分野を追求する人、すなわち「単槓」こそが特別な存在として尊重されるようになるだろう。

一つの分野に専念し、徹底的に掘り下げていける人は決して多くない。数が少なければ、それだけ重視されるはずだ。

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