オードリー・タンが語る「独学と孤独」 答案を白紙で提出し、14歳で学校を辞めた天才の思考
オードリー・タン(2023年撮影) Ints Kalnins-REUTERS
<IQ160、世界最高の頭脳とも称されるオードリー・タンの生き方から、一般人が学べることは実は多い。独学する者は孤独に耐えろ――ではない>
オードリー・タン(唐鳳)、43歳。
パンデミックが世界を覆っていた頃、「コロナ対策の成功例」といわれた台湾でITをフル活用した対策を牽引し、世界の注目を集めたのが、当時デジタル担当相を務めていたオードリー・タンだった。
若き天才と呼ばれたオードリーは、8歳から独学でプログラミングを学び、14歳で中学を退学、15歳で起業している。
オードリーは言う。
「ソーシャルコミュニティの時代、真の成功とは、価値の『共創』により達成されるものだ」
オードリーが考える「共創の精神」とはどのようなものか。果てしないネットの海と複雑化する世界の中で、右往左往せず生きていくにはどうすればいいか。
働き方から学び方、時間の使い方、心の整え方まで、世界最高の頭脳から人生の質を高める方法を学べる最新作『オードリー・タン 私はこう思考する』(かんき出版)より、一部を抜粋・再編集して紹介する(本記事は第1回)。
独学は「孤独」ではできない
14歳のときに学校へ行くのをやめ、独学の道を進んだオードリー・タンは、独学では「孤独にならないことが最も重要」だと強調する。また、「問題解決の責任を一個人に負わせない」ことが重要だともいう。将来、新しい壁にぶつかっても、その重責は自分一人の肩にかかっていて、なんとしても自力で解決しなくてはいけないと考える必要はない。
独学をする者にとって、「孤独にならない」「問題解決の責任を一個人に負わせない」と意識することが重要なのはなぜだろうか?