EV普及の「副作用」、電池回収によるレアメタル再利用に遅れている国は...
10月22日、電気自動車(EV)などの電池に使われる希少金属(レアメタル)は、採掘と電池廃棄の過程で環境問題を引き起こす恐れがあるため再生利用(リサイクル)が重要だが、東南アジアは他の地域に比べて取り組みが遅れている。写真は2023年2月、ジャカルタの商業施設に展示されたEV(2024年 ロイター/Willy Kurniawan)
電気自動車(EV)などの電池に使われる希少金属(レアメタル)は、採掘と電池廃棄の過程で環境問題を引き起こす恐れがあるため再生利用(リサイクル)が重要だが、東南アジアは他の地域に比べて取り組みが遅れている。
電気で動くEVその他の機器の電池には、リチウム、ニッケル、コバルトなどのレアメタルが使われる。国際エネルギー機関(IEA)によると、これらの金属の需要は2040年までに4倍に増える可能性がある。
人権団体や環境活動家によると、これら有限な鉱物の採掘には環境汚染や労働搾取などのコストが伴う。また、電池の寿命が尽きると、廃棄された電池と有害化学物質が環境と人の健康にさらなる危険をもたらす。
NGO「クライメート・ライツ・インターナショナル」の研究員、クリスタ・シェナム氏は、各国政府はEV電池に最低限の再生材料使用を義務付けることで、再生可能エネルギー移行に必要な鉱物の需要を減らすべきだと訴える。
<後手に回る対応>
世界最大のEV市場である中国や欧州連合(EU)では、すでに一部の電池材料の再利用が義務付けられている。
東南アジア諸国はガソリン車からEVへの切り替えを推進する一方で、電池材料のリサイクルには出遅れており、専門家は懸念を示している。例えばインドネシアは、現在10万台に満たない二輪車と四輪車のEVを、30年までに1300万台と200万台に増やすことを目指している。