EV普及の「副作用」、電池回収によるレアメタル再利用に遅れている国は...
EVへの移行により、東南アジアでは40年までに2166ギガワット時相当の使用済み電池があふれ返る可能性がある。東南アジア諸国連合(ASEAN)などの報告書によると、これは100万世帯以上に1年分の電力を供給できる量だ。
使用済み電池は電気電子機器廃棄物(e-waste)に分類される。e-wasteは有害物質であることが多く、22年に世界で発生した6200万トンのうち、4分の1未満しか再生利用されていない。
東南アジアの一部では再生利用率がさらに低い。
シンガポールでは、年間推定6万トンのe-wasteが発生しているが、その6%しか再生利用されていないと、持続可能性・環境省のエイミー・コー上級相は述べている。同国には現在、e-wasteのリサイクル施設が3つあり、処理能力は年間1万1000トンだ。
インドネシアで21年に発生したe-wasteは200万トンで、公式データによると再生利用されたのは、このうちわずか約17%だった。
政府は21年、電池の生産と再生利用を行うインドネシア・バッテリー・コーポレーションを設立。今年はe-wasteの削減と管理を定めた新たな規則を設けた。
しかし、使用済み電池の回収量をどうすれば増やせるかは、まだ不明だ。