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美味しいのは当たり前、違いは「サービス」にあり

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2024年9月10日(火)17時00分
ニューズウィーク日本版広告制作チーム
ジーコ(牛タン「司」運営元)の荒幸司社長

荒幸司社長 写真: 宮澤正明 ヘアメイク: KUMI

<行列の絶えない人気店ながら、あえて店舗数を限定。「目の届く」経営を貫く、牛タン焼業界の風雲児の素顔とは>

荒 幸司  ジーコ(牛タン「司」運営元)社長

1971年、仙台市生まれ。仙台商業高校卒業後、イトーヨーカドーに入社。95年に牛タン焼専門店へ転身。「味太助」ほか、複数の専門店にて修行を重ねる。2006年に独立し、牛タン焼専門店「司」を仙台にオープン。2013年には海外1号店となる米ロサンゼルス店をオープンしている。経営は「信頼」、牛タンは「焼き」を信条とする。

お客様の痒いところに届く、渾身のサービスを磨きこむ。

「美味しいのは当たり前。その上でお客様に選んでいただくために何が必要か。それは、間違いなくサービスだと思っています」

そう断言するのは、宮城県仙台市内に4店舗、そして米ロサンゼルスに1店舗展開する牛タン焼専門店「司」を率いる荒幸司だ。「接客も含め、お客様の痒いところに手が届くサービスをいかに提供するか。業績を大きく左右する部分です」

荒が「司」の1号店をオープンしたのは2006年のこと。仙台発祥とされる牛タン焼は、創業から数十年を経た老舗も多く、全くの「後発」としてのスタートだった。

「実績ある先達のコピーでは生き残れないのは分かっていました。基本はしっかり押さえながら自分たちの色を出していくにはどうすればいいか。ここで流通業の経験と、名店での修行が生きました」

高校卒業後、荒が最初に身を投じたのは、東北地方を拠点とする大型スーパー。配属となった食品部で接客のイロハと、クライアントニーズを先読みする目を養った。

その後、縁あって牛タン焼業界へ身を転じるが、来店客と直接相対する流通業での5年で、サービスの重要性が身にしみたと荒は振り返る。

牛タン焼に関しては、複数の店舗で12年に渡り修行を重ねた。仙台牛タン焼の元祖とされる名店「味太助」もその1つ。牛タン焼は「仕込み四分に焼き六分」とも言われる。店長の仕事ぶり、そして素材の良し悪しを丹念に観察する荒の「目」がここでも役に立った。

「学んで、焼いての繰り返しでしたが、やはり『焼き』が素材を活かしも殺しもする料理です。味太助で『焼き』の極みを体得できたことが、『司』の牛タン焼の味を決定づけています。どんなにいい肉を仕入れたとしても、焼きで失敗したら台無しですから」

最上の手本に学び、「焼き」を重ねた先に。

最上の手本に学んで身につけた焼きの技術。最高の素材を選別する目。そして客に満足して帰ってもらうためのサービス。この3つを土台に、荒の率いる「司」は牛タン焼業界に新たな風を巻き起こしていくことになる。

順調に仙台市内で4店舗まで拡大した「司」。行列の絶えない店として評判を呼ぶ日々。通常なら、東京など他の都市部へ拡大していくのがセオリーだろう。実際、他の牛タン焼店でも多店舗展開に舵を切るケースが少なくない。だが、荒の見据える先は違った。

「単に規模だけ追っていくのは違うと思っていて。限られた店舗に、ひっきりなしにお客様が訪れる経営を目指したかったんです。店舗数だけ追うとどうしても自分の目が届かない部分も出てきて、肝心のサービスも疎かになる懸念もありましたから」

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牛タン「司」公式サイト
https://www.gyutan-tsukasa.co.jp