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美味しいのは当たり前、違いは「サービス」にあり

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2024年9月10日(火)17時00分
ニューズウィーク日本版広告制作チーム

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「目配り」「気配り」「心配り」の3つが躍動する書。たまたま目にした荒が「我が意を得たり」と一目惚れ。彼の経営姿勢を体現するかのような作品だ。

セオリーを飛び越え、あえて選んだ海外進出。

あくまで経営スタイルの根幹は変えず、新たな挑戦を続けていくために。荒が選んだのは、海外進出だった。

「後発だからこそできるチャレンジだと考えましたし、インパクトもある。まだ牛タン焼の魅力をご存知ない海外のお客様にも、その素晴らしさを伝えたいという思いもありました」

こうして、2013年に米ロサンゼルスに海外1号店が誕生する。ただ、ロスとはいえアジア圏の富裕層が多くを占めるエリアへの出店。日本独自で発展を遂げた牛タン焼に、馴染みのない人々が大半だ。それでも、荒には勝算があった。

「現地にもともと存在しない牛タン焼という文化をいかに認知してもらうか、そこに心を砕きました。お客様一人ひとりに対して、『こうやって食べたら美味しいですよ』と食べ方を教えていきました。そのためにスタッフもトレーニングして。開店から3年くらい、新規のお客様に手取り足取り食べ方を伝授したんです。味には自信を持っていますから、お客様も満足して帰っていただけて。そのうち口コミで評判となり、お客様がお客様を呼ぶ循環が生まれて現在に至ります」

こうした土台がしっかりしていたこともあり、ロサンゼルス店はコロナ禍でもテイクアウト用弁当との「二刀流」で、売上を維持できたという。

「お客様に喜んでいただくサービスと、感謝の心を忘れない姿勢。ここが揺らがなければ海外でもやっていけます。言葉の壁があったとしても、必ず伝わるんですね。国内においてもそれは同じ。海外からのお客様も増えていますが、アメリカでの経験が確実に生きています」

現在も、機会があれば厨房に立つ荒。「やはり『焼き』が全てですからね。店の状況やお客様の生の反応を把握しつつ、基本に立ち返るという意味でも大切にしていきたいです」

客の様子や店内の変化を見逃さない目配り。料理とサービスを余すことなく堪能してもらうための気配り。そして、感謝の想いを行動で表す心配り。顧客体験の満足度を最大化するこれら「3本の矢」を携え、さらなる高みを目指して荒の挑戦は続く。

Photo by 宮澤正明

1960年東京生まれ。 日本大学芸術学部写真学科卒業。卒業時に日本大学芸術学会奨励賞。広告、雑誌、PV、CM、ファッションの分野でも幅広く活動し、人物写真は作家からスポーツ選手まで多岐にわたる。2023年には、第十三代市川團十郎襲名披露写真集撮影。泳ぐ宝石錦鯉、サラブレッド、血統犬など幅広い分野で精力的に撮影を敢行している。

また映像作家として、伊勢神宮の森をテーマにしたドキュメンタリー映画『うみやまあひだ 伊勢神宮の森から響くメッセージ~』を初監督。海外の映画祭に数多くノミネートされ2015年マドリード国際映画祭にて外国語ドキュメンタリー部門最優秀作品賞他の2冠に輝く。2023年ドキュメンタリー映画第2作目となるダウン症の天才書家を追った「書家 金澤翔子 共に生きる」の監督及びプロデューサーを務め全国80館以上で公開。

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