最新記事
無理ゲー

月200時間働いても評価されない...そんな無理ゲー攻略のカギは「見るべき景色」を認識すること

2024年6月3日(月)11時54分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

解説

頑張っているのに、自分の待遇が一向に上向かない。それはもしかしたら、その頑張りが、職責に応じたものでないからかもしれません。

マネージャーが評価を得るには、緊急度が低く重要度の高い業務(本書では「第Ⅱ領域」と呼ぶ)、すなわち先を見越した仕事に時間を費やすことがポイントになります。

何にどれだけの時間を費やすか、この配分を間違えてはいけません。

『中間管理職無理ゲー完全攻略法』内の図版

『中間管理職無理ゲー完全攻略法』33ページより

責任の大きい立場の人、たとえば役員クラスであれば、半年後ではなくさらに先、1年後、2年後のことを考えておかなければなりません。経営者なら、3~5年後の中期経営計画を考える必要があります。役職に応じて、見据えるべき先々の距離が違ってくるのです。
  
小さな現場単位で見たら、「とにかく目の前のことを頑張ろう」となるでしょう。しかし、上掲の図のように、責任が重くなるほど高い視座に立つことになるわけですから、より遠くを見通せるはず。ロングスパンで今後の見通しを立てなければなりません。



遠くを見通すというのは、「第Ⅱ領域(緊急度が低く重要度の高い業務)に手をつける」ということです。
  
我々の独自調査によると、部門責任者が第Ⅱ領域の業務に割く時間が全体の25%以上を占めている場合、その部門の生産性は会社内でトップ2%という非常に優秀な成績を収めることがわかっています。この部門では、責任者が現場を離れていても、継続的にスタッフが育ちます。

一方、第Ⅱ領域に割く時間が15~20%の場合、生産性は上位20%と高いものの、責任者への依存度が高くなります。そして、第Ⅱ領域に割く時間が5~15%になるとスタッフによって生産性にばらつきが生じ、5%以下ではミスやエラーが頻発するようになります。

『中間管理職無理ゲー完全攻略法』内の図版

『中間管理職無理ゲー完全攻略法』34ページより

25%というと、トップレベルの管理職人材であれば1日8時間働くうち2時間もの時間を先々を見据えた仕事に費やしているということ。責任者が第Ⅱ領域にどれだけ時間を割いたかが、生産性にダイレクトに影響を与えるのです。
  
しかし、「緊急度が低くて重要度の高い第Ⅱ領域の仕事」と言われても、あまりピンとこないかもしれません。ここは時間軸で考えるとイメージがつきやすいでしょう。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、ロのキーウ攻撃を非難 「ウラジミール、

ビジネス

米3月耐久財受注9.2%増、予想上回る 民間航空機

ビジネス

米関税措置、独経済にも重大リスク=独連銀総裁

ワールド

米・ウクライナ鉱物資源協定、週内に合意ない見通し=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは?【最新研究】
  • 2
    日本の10代女子の多くが「子どもは欲しくない」と考えるのはなぜか
  • 3
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 4
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 5
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    謎に包まれた7世紀の古戦場...正確な場所を突き止め…
  • 8
    「地球外生命体の最強証拠」? 惑星K2-18bで発見「生…
  • 9
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 10
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 1
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 2
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 9
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 10
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中