最新記事
無理ゲー

月200時間働いても評価されない...そんな無理ゲー攻略のカギは「見るべき景色」を認識すること

2024年6月3日(月)11時54分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

一般社員であれば、とにかく今月頑張る。係長クラスであれば、3ヵ月後の仕事を視野に入れる。そして課長であれば、半年後ぐらいまでは考えておきたいところです。
  
もちろん、業種や事業形態によって、どこまで見通すのかが変わってきます。また、職種によっても異なるでしょう。

とはいえ、部長職に就いている組織を統括する立場の人が「今月こんなトラブルがあって、参ったよ」で終わらせているようではいけません。部長の仕事は、2年後、3年後を見通すこと。そのトラブルは次回も起こり得るのか、今回起きたトラブルは何が原因となって発生したのか、次にまた同じ状況になった時はどのようにすればよいのか、検討することが大切です。


トラブルが起こったということは、見方を変えれば改善のチャンスが訪れたということです。今回は場当たり的な対応でその場をしのいだかもしれませんが、この機会に対応策を用意し、次からはマニュアルを見ればいい状態にしておきましょう。
  
トラブル対応における一つひとつの積み重ねが、2年後、3年後のトラブルシューティングに活かされます。先を見据えて対策することで、何年か先に同じトラブルに見舞われた従業員が「部長、大変です!」と駆け込んでくることを予防できるのです。

今目の前で起きている問題を叩くのではなく、先々に起こり得るものを、あらかじめ見通して対策しておきます。
  
もし、トラブルが起きた要因が判明したのであれば、二度と起こらないような業務フローを作るのも、解決策の一つです。「今のバタバタが落ち着いたら」「いつか時間ができた時に」と思っていたら、まずやりません。移動時間や待ち合わせなどの隙間時間を使って、コツコツ積み上げていきましょう。
  
自分の立ち位置に見合った、先を見据えた行動をとっていれば、あなたの評価は自ずと高まっていくはずです。


※第2回はこちら:指示出しても「聞いてませんでした」...伝達ミスはコマンドの出し方を変えれば「攻略」できる
※第3回はこちら:「とりあえずやってみる」は絶対NG...幹部や先輩からの「的外れ」アドバイスの正しい対処法


中谷一郎
大学卒業後、ベンチャー・リンク社を経て2010年にトリノ・ガーデンを設立。サービス業を中心に、建設、小売、メーカーなど幅広い業界における大企業の収益・生産性改善を、「オペレーション分析」を通じて実現してきた。その手法の特徴は、徹底的に現場の様子を「可視化し計測し記録する」こと。近著に『オペレーション科学』(柴田書店)がある。


newsweekjp_20240527061905.jpg

中間管理職無理ゲー完全攻略法
 中谷一郎[著]
 CCCメディアハウス[刊]

(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

20241126issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ビットコインが10万ドルに迫る、トランプ次期米政権

ビジネス

シタデル創業者グリフィン氏、少数株売却に前向き I

ワールド

米SEC委員長が来年1月に退任へ 功績評価の一方で

ワールド

北朝鮮の金総書記、核戦争を警告 米が緊張激化と非難
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 5
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 10
    中国富裕層の日本移住が増える訳......日本の医療制…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中