ノルウェー政府年金基金に、NGOなどがイスラエル投資全面撤回要求
世界最大の政府系ファンド(SWF)であるノルウェー政府年金基金に、パレスチナ自治区ガザで戦闘を続けているイスラエルの企業向け投資の見直しを迫る圧力が強まりつつある。写真はオスロにあるノルウェー中銀の建物で2022年6月撮影(2024年 ロイター/Victoria Klesty)
世界最大の政府系ファンド(SWF)であるノルウェー政府年金基金に、パレスチナ自治区ガザで戦闘を続けているイスラエルの企業向け投資の見直しを迫る圧力が強まりつつある。
30日には幾つかの非政府組織(NGO)や一部議員などから、全面的な投資引き揚げを求める声が飛び出した。
世界中で今、大学や資産運用会社に対して広がっているイスラエル投資の再検討要求がノルウェー政府年金基金にも波及した形。同基金の倫理委員会は既に、基金の投資対象企業がガザでの戦争に関連して投資ガイドラインに違反していないか調査に乗り出している。
ただこうした調査については、何らかの勧告が出されて実行に移されるまで時間がかかり過ぎるとの批判もある。
2023年末のデータによると、同基金のイスラエル企業への投資額は150億クローネ(13億6000万ドル)で、不動産や銀行、エネルギー、通信など76社。全投資額に占める比率は0.1%だった。
ノルウェーで活動するパレスチナ系NGOのリーダー、リネ・ハティーブ氏はロイターに「イスラエル経済は海外からの投資と米国の支援に依存しているので、現在進行中のジェノサイド(民族大虐殺)を止めるにはイスラエル経済から資金を引き揚げさせなければならない」と語った。
イスラエルは軍の行動がパレスチナ人に対する国家主導のジェノサイドだとの見方を否定するとともに、イスラム組織ハマスとの戦闘を正当化している。
一方、ノルウェー議会では左派系議員のカリ・エリザベス・カスキ氏が財務相や基金運営幹部らに、ガザでの戦争を踏まえてなぜ基金の倫理的な投資ガイドラインを厳格化しなかったのかと追及した。同氏は議会を通じてイスラエルに制裁を科し、基金にイスラエル投資から完全に撤回させたい考えだ。
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