10歳のとき、命を懸けた「冷たい社会への復讐」を誓った...泉房穂氏が語る、成功を導く成功を導く「力の源泉」
可能性への信頼が力につながる
──これからの日本を支えていく若者に何かメッセージはありますか。かれらは生まれたときからデフレ経済で、政治の投票率も思い切り低かった。そうなると、「何をしても結局変わらないよね」というあきらめ感、閉塞感のなかで育ってきたと思います。そういうみなさんが「これなら変えられる」と勇気づけられるようなことばがあれば、ぜひ伺いたいです。
自身の人生を生きる主人公として、どのように生きるかはみなさん次第ですが、少なくとも、時代を言い訳にするのはもったいないと思います。私は「いまの時代は夜明け前だ」といつも言っているんです。夜明け前が最も暗くて寒いけれど、あとは夜明けを迎えるだけ。もうしばらく暗いかもしれませんが、いずれ朝は来ます。そう前向きに捉えて発想を展開していけば、可能性も広がっていくものです。
私は前向きすぎる人間なので、朝起きただけで幸せを感じるんです。「朝だ! 生きてる!」って。この自分を使って今日一日何をしよう。そうして、自分のなかの可能性を信じているんですね。
──グロービスの代表(堀義人さん)も「可能性を信じる」ということばをいつも語っています。グロービスは彼が20代後半〜30代の時期につくった組織ですから。やればできるということは私も強く思います。
まったく同感です。そのことばに補足するなら、「やればできる」だけでは足りなくて、「どうすればできるか」まで考えないといけません。何かを成すなら、願望レベルで止まらず、どういった道を行くのか、何がいるのかきちんと逆算して決断していく。目標が達成できないのは、「こうなればいいな」という抽象的な地点で終わっているから。その違いはとても大きいと思います。