「走る哲学者」為末大が、競技人生を通してたどり着いた「熟達」にいたる「学びのプロセス」とは
──最後に、読者の方へメッセージをお願いします。
為末 『熟達論』では、私なりの幸福論、生きがい論について書いたつもりです。私は競技人生を通じて、自分が好きでやっていることと、国の代表として世界で活躍するという社会が要請する役割との間で生きてきました。なりたい自分と世の中から要請される自分との間で悩んでいても、何かを学びながら生きていくことで人は十分幸せになれるんじゃないかというのが、『熟達論』で伝えたかったメッセージです。
内容自体はなんでもいいんです。仕事や人間関係、あるいは趣味なのかもしれない。どんなことでも、それをやること自体が面白いと感じられることに熟達していけば、きっと幸せを感じられる。そういう感覚を意識しながら生きることで、楽しく学べる人が増えてくれたらうれしく思います。
為末大(ためすえ だい)
1978年広島県生まれ。スプリント種目の世界大会で日本人として初のメダル獲得者。男子400メートルハードルの日本記録保持者(2024年1月現在)。現在は執筆活動、身体に関わるプロジェクトを行うほか、アスリートとしての学びをまとめた近著『熟達論:人はいつまでも学び、成長できる』を通じて、人間の熟達について探求する。その他、主な著作は『Winning Alone』『諦める力』など。
flier編集部
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