問題は「AIに奪われる仕事は何か」ではない! 一生稼ぎ続けられる「π型人材2.0」になるためのステップ
ビギナーでいることへのプライドを捨てよう
──『イノベーションのDNA』という本にあった「関連づける力」が、本書ではπの柱を結びつける「Associative Thinking(統合力・連想力)」として紹介されていました。この連想力を磨くために、どんな実践をするとよいでしょうか。
連想力を磨くためには、常に新しいことにトライしていること、つまり何らかの「ビギナーでいること」の習慣化が大事だと思うんですよね。たとえば、Metaのトップであるマーク・ザッカーバーグ氏は、ビジネスにおいてはビギナーの真逆といえる存在。ですが、新たにブラジリアン武術を習いはじめています。それについて「面白いことをやり続けられるかどうかは、また恥をかいたり、初心者に戻って体を蹴られたりすることをいとわないかどうかにかかっているのかもしれない」と答えている通り、無駄なプライドを捨てて、叱られたり失敗するなど恥ずかしい思いをすることに意義があるのだそう。
ビギナーでいることのメリットは、自分と関係のない領域の情報や知識を取り入れたときに、脳内でトランスファーリンクがつくられて、点と点が線になりやすくなるから。これは、ドメインスキルとスパイクスキルを統合するAssociative thinkingそのものです。
たとえば、異業種交流会で、今まで関わりのなかった業界の人と話してみる、でも良いと思います。違う会社の人と話すだけでも、社風の違いなど発見があります。これは、自分のキャリアを客観視することにもつながってきます。仕事に限らず筋トレやマラソンでもいい。どう点と点がつながり、線になっていくかを楽しみながら、積極的にビギナーになる習慣化をおすすめします。