日本の水産物が海外バイヤーから注目を浴びる理由【FOODEX JAPAN 2024レポート】
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イベントに込められた復興への思い。能登半島地震から2か月
イベント会場の中央では、料理のテイストに合う全国各地の日本酒や日本ワイン、日本産果実を使用したジュースなども提供された。その中でとりわけ注目を浴びたのは、石川県で生産された日本酒や日本ワインだ。
今年1月1日に発生した能登半島地震により、石川県及び富山県を中心とした北陸地域の事業者の多くが被害を受けた。今回のイベントでは、能登半島地震からの復興を後押しするため、現地の酒蔵やワイナリーから仕入れた酒類を多く提供している。もちろん、メインである水産物も例外ではない。料理デモンストレーションで使用したブリ、タイは石川県能登半島地域で水揚げされたものだ。
レセプションには坂本哲志農林水産大臣も出席。参加した事業者と活発な意見交換を行った。冒頭の挨拶の中で、「本日は、被災地域の事業者の皆様にもお越しいただいておりますので、このレセプションを、能登半島地震からの復興に向けたきっかけともしたいと考えております」と語った。
各国への粘り強い働きかけを通じ、輸出先の多角化を目指す
坂本大臣の挨拶の中ではこんな言葉も。
「農林水産省では、昨年末以来、ホタテをはじめとする水産物の輸出先多角化を進めるべく、海外バイヤーの方々に北海道や東北などの国内産地にお越しいただく一方、国内の加工事業者などもベトナムに派遣し、視察・商談会などを行ってきた。今後も、今回のレセプションのような機会を通じ、関係者間の交流・商談が進む機会を積極的に設け、輸出先の転換・多角化が今後一層進むことを期待している」
昨年8月のALPS処理水放出以降の一部の国・地域による輸入規制の影響を受け、2023年のホタテ貝(生鮮等)の輸出額は、前年と比較して222億円減少した。しかし、2024年1月のホタテ貝(生鮮等)の輸出額は、対前年同期比でベトナム向けが約5倍、台湾向けが約2倍に増加したという。輸出先多角化に向けた関係者の努力の成果が少しずつではあるが、着実に実り始めてきていると言えるだろう。
レセプションに参加した海外バイヤーからは、日本産水産物のアレンジやさまざまな食材とのペアリングの可能性に対する驚きの声が数多く聞かれた。こうした反応からも、日本産水産物が海外でマーケットを拡大する余地がまだまだ残されていることは明らかだ。今後、これまで日本産水産物に対する認知が高くなかった国の関係者にもその魅力が浸透し、より一層、輸出先の多角化が進んでいくことを期待したい。
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