脱炭素経営「中小企業の9割」が未対応! 最大の課題とその乗り越え方とは?
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省エネは環境だけでなく、企業の持続可能な経営にも寄与する(写真はイメージです) Aon Khanisorn-Shutterstock
<取引先の増加、資金調達にポジティブな影響、対外的なイメージ向上──脱炭素対策の恩恵は数多あるが、中小企業の経営者3060人を対象に行った調査によると、取り組んでいるのは10社に1社という結果に。実施を阻む要因と、解決策となり得るサービスを紹介する>
多くの企業が「脱炭素」社会実現に向けた取組みに積極的な姿勢を見せているが、関電エネルギーソリューション(以下、Kenes〔ケネス〕)が10月に発表した「中小企業における脱炭素対策の実施に係る実態調査結果について」によれば、実際に対策に取り組んでいる中小企業は10社中わずか1社(9.8%)にとどまることがわかった。
2015年に国連でSDGs(持続可能な開発目標)が採択されて以降、その中でも重要なカギを握る環境問題は、世界中の企業にとって避けて通れない課題となっている。日本政府も温室効果ガスの排出を2050年までに全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を目指すことを宣言し、国内においても「脱炭素経営」に注目が集まっているが、その実態はどうなのか。
経営者3060人を対象に行った同調査結果をもとに、中小企業が脱炭素対策に取り組むメリットと課題、その問題の解決に寄与するKenesのサービスを紹介する。
人手やノウハウ、何より「費用面」がネックに
中小企業が取り組む脱炭素対策としては、「エネルギー消費量の削減」が66.0%と最も多く、続いて「リサイクルなどの3Rの推進(39.0%)」「再生可能エネルギーの利用(31.7%)が挙げられた。
脱炭素対策に取り組んだメリットとして、3社に1社(33.3%)が「環境への貢献が企業価値やブランドイメージに与える影響」と回答しているように、脱炭素化への前向きな姿勢は、対外的なイメージの向上に少なからず貢献している様子がうかがえる。
また、4社に1社(26.9%)が取引先の数や取引量が増加したと回答。金融機関や投資元からの資金調達の面でも、約2割(19.4%)の企業がポジティブな影響を実感しているという。
これらのメリットがあるにもかかわらず、約9割の中小企業が未実施なのはなぜか。
脱炭素対策に取り組んでいない中小企業の経営者に、「脱炭素対策に取り組む上で、現在支障となっている理由」を聞いたところ、26.0%の企業が「コストが増える」と回答し、「手間がかかる(17.0%)」「どう取り組めばよいかわからない(16.0%)」「資金が不足している(13.0%)」と続いた。
この結果から、人手やノウハウに関する課題、何より費用面で脱炭素への取組みを足踏みしている企業が多いことがわかる。さらに、未実施と回答した企業の経営者の約9割(92.0%)は、自社が脱炭素対策に関する取組みに対する補助金の申請対象になり得ることを把握していなかった。