最新記事
ビジネス

役に立つのは「1年前のカレンダー」...会社と世の中をつなぐ広報の立場から見た、PRの基本とテクニック

2023年12月7日(木)17時40分
flier編集部
広報・PRパーソンの小野茜氏

広報・PRパーソンの小野茜氏(flier提供)

<アイデアのタネはいつも「会社の外」にある。『ひとり広報の戦略書』著者・小野茜さんインタビュー>

企業などの組織が、事業の活動や方針を広く社会に伝えていく仕事が「広報」です。現在、企業において広報担当がひとりだけという「ひとり広報」が急増しています。他の仕事と広報を兼務する人も少なくなく、自ら広報活動をする経営者や個人事業主も「ひとり広報」といえるでしょう。

テレビや新聞などのマスメディアからインターネットメディア、SNSなど、その方法は多様化しており、広報の難易度は年々高まる一方です。今回は、『ひとり広報の戦略書』の著者で企業の外から広報をサポートするPR支援会社の代表・小野茜さんに、広報の重要性や実際に使えるテクニックまで幅広く教えていただきました。聞き手は、株式会社フライヤーで広報・PRを担当する執行役員・井手琢人です。(※この記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です)

◇ ◇ ◇


誰もが「ひとり広報」になる可能性がある

井手琢人(以下、井手):私も広報・PR歴が長く、メディアやトレンドが変遷していく中、それにしがみつきながら広報活動をしてきました。

広報について書かれたノウハウ本もいくつか読んできましたが、教科書的なものが多い印象でした。その中で、小野さんの書かれた『ひとり広報の戦略書』は広報の現場感がダイレクトに伝わってくる本で、大変ためになりました。

ひとり広報の戦略書
 著者:小野茜
 出版社:クロスメディア・パブリッシング
 要約を読む
(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

小野茜(以下、小野):ありがとうございます。

私はもともと会社員で、当時の社長から突然「広報やってみない?」を声がかかったのがきっかけで広報の世界に入りました。それまでは全くやったことはなかったので、ゼロからスタートした「ひとり広報」でした。

井手:私は20代の頃にPRの仕事につきまして、その頃は上司もいて教えてもらうことができましたが、小野さんのような未経験からいきなり「ひとり広報」になるパターンは結構多い気がします。

小野:日本は中小企業が大半を占めるので、その傾向は強いと思います。

広報という仕事は会社の成長のためにポジティブに働きかけるという役割はあるものの、「売上が上がる」というような目に見える成果が分かりづらいこともあって、会社として複数人の担当者を置きづらいという現状があると思います。

井手:企業が広報の担当を置いたときに、すぐに経営者は「うちをテレビに出してくれ」という期待を寄せがちですよね。いきなりテレビ露出を期待されるという現実とのギャップ感はなかなか辛いものがあります。

自動車
DEFENDERの日本縦断旅がついに最終章! 本土最南端へ──歴史と絶景が織りなす5日間
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエル、ガザ軍事作戦拡大 国連診療所などへの攻

ワールド

マスク氏、近く政権離脱か トランプ氏が側近に明かす

ビジネス

欧州のインフレ低下、米関税措置で妨げられず=仏中銀

ワールド

米NSC報道官、ウォルツ補佐官を擁護 公務でのGメ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台になった遺跡で、映画そっくりの「聖杯」が発掘される
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 6
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 7
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 8
    博士課程の奨学金受給者の約4割が留学生、問題は日…
  • 9
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 10
    トランプ政権でついに「内ゲバ」が始まる...シグナル…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 7
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 8
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 9
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 10
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中