最新記事
仕事術

「具体化と抽象化だけで、仕事の10割はうまくいく」...なぜリーダーは「抽象的」でなくてはならないのか?

2023年11月9日(木)11時10分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

組織をつくる目的は《抽象》と《具体》の役割分担

次にあなたにしてもらいたいのは、描いてみた組織図を90 度右に回転してみることである。

社長はいちばん上でなく、いちばん右に来る。底辺だった一般社員は左側に来る。あなたの上司は、あなたの上でなくて右にいる。

そしていちばん重要なことだが、その図の右側に《抽象》と書き、左側に《具体》と書き加えてもらいたい。

これで、不人気であったピラミッド型組織は、本当の姿を表した(図2)。

zu2-20231107.jpg

人が組織を作る理由は、上下関係を作るためではない。担当する抽象度を、《抽象》側から《具体》側まで役割分担するためなのだ。

組織の役割を3つに分類してみる

話を単純化するために、組織の役職を3つに分類しよう。

・プレイヤー
・マネージャー
・リーダー

の三分類だ。「プレイヤー」とはいわゆる一般社員、平社員のことで、現場で実際に動いている人たちだ。

たとえばお客さんをまわって営業していたり、工場で手を動かしてものを作っていたりする。「マネージャー」とは要するに管理職のことで、会社で言えば課長や部長を指す。

では、係長や主任についてはマネージャーに分類されるのか、それともプレイヤーなのか? ということが気になる人がいるかもしれない。

「うちの会社では、係長は管理職ではなく一般職扱いですがプレイヤーなのでしょうか?」とか「部下がいない課長はマネージャーに入るのでしょうか?」という具合だ。

しかし、ここでは明確な線引きはあまり気にしなくていい。2つの領域の中間にいる人、あるいは複数の領域に同時にいる人はたくさんいる。

「リーダー」とは組織のトップに立って他のみんなを引っ張っていく人だ。会社では社長やCEOのような経営者がこれにあたる。国だったら、大統領や首相のことを指す。

ここでも、「社長と会長はどちらがリーダーなのですか?」というようなことはあまり気にしない。リーダーが複数人いる組織は存在するし、そもそも本当のリーダーがいない組織も、不幸だが存在する。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

韓国尹大統領に逮捕状発付、現職初 支持者らが裁判所

ワールド

アングル:もう賄賂は払わない、アサド政権崩壊で夢と

ワールド

アングル:政治的権利に目覚めるアフリカの若者、デジ

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 5
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 6
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 7
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 8
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 9
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 10
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 5
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中